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「好む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

好むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
沼地」より 著者:芥川竜之介
苦しい黄色である。この画家には草木の色が実際そう見えたのであろうか。それとも別に好む所があって、故意《ことさら》こんな誇張《こちょう》を加えたのであろうか。――....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
そうな気がし出した。実際いかに高貴な物でも、部落の若い女たちが、こう云う色の玉を好むかどうか、疑わしいには違いなかったのであった。 「それからだね――」 相手....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
じゃ」 「こっとらの顔が立たねえんだ」と他の一箇《ひとり》は叫べり。 血気事を好む徒《てあい》は、応と言うがままにその車を道ばたに棄《す》てて、総勢五人の車夫....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
年を数う。 愛の神は死し、ついにアストレアは逃げ去りぬ。 神々の最後のもの、血を好むゲーアさえ。 ジュピターが大洪水を起してこの眷属を絶滅させ、後にデゥカリオ....
猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
も尚野蛮の域に居る所の子供は赤色を好み、段々と大きくなるに従って、色の浅いものを好むようになる、而して純白色のものを以て最も高尚なものとするのは、我輩文明人の常....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
をつけたかんじきをはき、膝まで雪にうずめながら歩きだした。小池もまた大変樹の枝を好む。枝につかまったきり別れを惜しんでいる。あるいはひざまずいて離別の涙を流し、....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
彼は驚かなかった。元来、彼自身も死ということについては度々熟考し、あながちそれを好む者ではなかったが、さりとて生を愛着するの余りに、人の物笑いになるような死にざ....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
冷い磯の香がして、ざらざらと隅に固まるものあり、方丈記に曰く、ごうなは小さき貝を好む。 八 先生は見ざる真似して、少年が手に傾けた件の畚を横目に....
黒百合」より 著者:泉鏡花
れば私が占めよう。」 「大分、御意見とは違いますように存じますが。」 「英雄色を好むさ。」と傲然として言った。二人が気の合うのはすなわちここで、藁草履と猟犬と用....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
といって、二度とあすこへ行って寝る気はしない。どうも驚いた。」 「はじめから奇を好むからです。あすこへ行って寝るなんざ、どの道|好くない。いずれ病人でなくっては....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
蔑の眼を向くるであろうが、それ等はしばらく後※しとし、智慧の教を受け入るることを好む進歩的頭脳の所有者に、われ等の霊界通信を提示して貰いたい。必ずや何等かの効果....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ところと、単純にものを信じやすいところとが妙にまじりあっていた。不可思議なことを好む食欲も、またそれを消化する力もなみなみでなかった。しかも、それが両方ともに彼....
狂人日記」より 著者:秋田滋
殺人者を犯罪人として罰している。しかし、われわれ人間は、この自然な、激しい殺戮を好む、本能の命ずるところに従わないでいられないために、ときどき、戦争によって、一....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
はじめ、私はこの一篇を、山媛、また山姫、いずれかにしようと思った。あえて奇を好む次第ではない。また強いて怪談がるつもりでもない。 けれども、現代――たとい....
大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
白して居るためであろう。彼の随筆には古いもの伝統的なものに憧れる都会人と機械美を好む尖端人との交錯が窺われる。そうして古いものの完き姿が現代に求められなくなり、....