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好個
「好個〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
好個の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
さえ起し得ない俗人たちはあらゆる名士の醜聞の中に彼等の怯懦《きょうだ》を弁解する
好個の武器を見出すのである。同時に又実際には存しない彼等の優越を樹立する、
好個の....
「或る女」より 著者:有島武郎
て、ハミルトン氏配下の敏腕家の一人《ひとり》として、また品性の高潔な公共心の厚い
好個の青年実業家として、やがては日本において、米国におけるピーボデーと同様の名声....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
いた広重が今生きていたらば、こうした駅々の停車場の姿をいちいち写生して、おそらく
好個の風景画を作り出すであろう。 停車場はその土地の象徴であると、わたしは前に....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
、剣をよくして、備前|長船小豆長光二尺四寸五分の大刀を打ち振うのであるから、真に
好個の武将である。 信玄が重厚精強であれば、謙信は尖鋭果断のかんしゃく持である....
「日常身辺の物理的諸問題」より 著者:寺田寅彦
ろう。それにもかかわらず物理学をデモンストレートする先生がたはなかなかこの目前の
好個の問題を手に取り上げて落ち着いて熟視しようとはしないのである。 同じく摩擦....
「三斜晶系」より 著者:寺田寅彦
ども少し勉強すれば容易に見つかりそうに思われる。アマチュア昆虫生態学者にとっては
好個のテーマになりはしないかという気がしたのであった。 とんぼがいかにして風の....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
こちに薄い禿がたくさんできた。これは南京虫に噛まれたのを引っかいたあとだ。入獄の
好個の紀念として永久に保存せしめたいものだと思っている。 * 今朝は暗い....
「いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
読者諸君は、嗤わずにゆるしてほしい。私はそれについて徒らな弁解をする代りに、私を
好個の例として、この問題をもつと聡明で冷静な頭脳の批判に委ねたいのである。これは....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
る。 その綺麗さと、掃除の行届いたことと、ここにもまた眼の前、鼻の先に開展した
好個の対照物について、私は老いの繰り言を、こぼさざるを得ないのである。それは東京....
「中支遊記」より 著者:上村松園
陽が映えた色彩の美事さもあることであったが、五亭橋の上にあがっての遠望は、まさに
好個の山水図であった。 楊柳をあしらった農家が五、六軒も点在したろうか。放し飼....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
、今夜の雪は一片でも身体へ当るたびに、毒虫に螫れるような気がするんです。」 と
好個の男児何の事ぞ、あやかしの糸に纏われて、備わった身の品を失うまで、かかる寒さ....
「薬前薬後」より 著者:岡本綺堂
をかいた広重が今生きていたらば、こうした駅々の停車場の姿を一々写生して、おそらく
好個の風景画を作り出すであろう。 停車場はその土地の象徴であると、わたしは前に....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
出すべく、公園や遊歩場というものを持たないわれ/\牛込区民や、麹町区一部の人々の
好個の慰楽所となるであろう。そしてそれが又わが神楽坂の繁栄を一段と増すであろうこ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
川に匹敵する峡谷を北アルプスに覓めて、この黒部川を得た、そして満足した。此二者が
好個の対照をなしていることは他に類を求められない。赤石山系の水が大井川に集って南....
「針木峠の林道 」より 著者:木暮理太郎
くなったとは聞いていたが、それでも針木越は登山の入門として、あらゆる課程を備えた
好個の教科書であるということには、誰も異議はなかったようである。自分も初めての経....