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好敵手
「好敵手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
好敵手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
ると其処に微笑が泛《うか》ぶ。また憂鬱に返る。 だが、彼女は職業の場所に出て、
好敵手が見つかると、はじめはちょっと呆《ほう》けたような表情をしたあとから、いく....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
ってからは、君を恐怖さえしていた。僕たちは、幼い時から、はげしい競争をして来た。
好敵手だった。表面は微笑み合いながらも、互いに憎んでいた。僕には、君が邪魔だった....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
だか判らない三十五である)。 所で、大阪を見たり、論じたりする場合、必ず、その
好敵手である東京と比較して、女が、食物がというが、凡そこれ位、常套手段は無い――....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
博士はここで、マルクス主義的哲学方法という一つの方法論上の対立物を、敵手を、いな
好敵手を、発見したからである。というのは、詰り、和辻的方法を生長させるに持って来....
「辞典」より 著者:戸坂潤
得ると思ったことから発生した処の、避け難い不始末だったのである。 ジェームズが
好敵手として選ぶ者はヘーゲルの哲学、その体系・形而上学・絶対主義である。彼によれ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ずだから、何か特別に嬉しいことがあっての上でなければなりません。 先生が唯一の
好敵手であった鰡八大尽《ぼらはちだいじん》は、あの勢いで洋行してしまったし、それ....
「北支点描」より 著者:豊島与志雄
* 北京には高級な支那料理屋が多く、支那各地の料理法まで味わるること、上海と
好敵手である。その料理屋を一々訪れて歩くには、なまなかの財布では持ちこたえられな....
「文人囲碁会」より 著者:坂口安吾
治家なども大いに自信満々のようだが、文士というものは凡そ自信をもたない。 僕と
好敵手は尾崎一雄で、これは奇妙、ある時は処女の如く、あるときは脱兎の如く、時に雲....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ろえ、初心者きたれ、と待ち構えていたが、あいにくなことにオヤジと組んずほぐれつの
好敵手はいつまでたっても現れず、誰も彼を相手にしてくれないので、オヤジのラクタン....
「博物誌」より 著者:岸田国士
覚えのある猟師なら相手にしない鳥がある。私は腕に覚えがある。 私は、鷓鴣以外に
好敵手を見出さない。 彼らは実に小ざかしい。 その小ざかしさは、遠くから逃げ....
「岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
「まあまあそういわずに会って見なよ。君とは話が合うかもしれない。ひょっとかすると
好敵手かもしれない」 「幾歳ぐらいの野郎だい?」 「そうさな、君よりは十二ほど若....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
たんに彼の心へ、別の感情が湧き出した。「ああ、だがしかし玻璃窓めは、俺にとっちゃ
好敵手だった。あいつの他にこの俺を、鼓賊だと睨んだものはねえ。あの玻璃窓に縛られ....
「牛」より 著者:坂口安吾
トの練習にうちこんでいるのは、その胸の厚さを抜くためだ。 彼はこのNo1に単に
好敵手というだけではない敵愾心をいだいていた。それはこの男が人にこう語ったことを....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
形※斎《くわがたけいさい》(文政七年歿)を逝《ゆ》かしめ、また歌麿《うたまろ》の
好敵手たりし歌川豊国《うたがわとよくに》(文政八年歿)を失ひぬ。浮世絵はその錦絵....
「呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
、最初のうちは慶四郎は千歳の子守役、千歳が成長するにつれ縁日ゆきの護衛、口喧嘩の
好敵手、時には兄妹のような気持にさえ、極めて無邪気な間柄であった。 だが父が、....