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好男子
「好男子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
好男子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
いるのは英吉利《イギリス》人らしい老人である。顔は皺《しわ》こそ多いものの、まず
好男子と評しても好《い》い。しかし服装はホオガスの画《え》にみた十八世紀の流行で....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
《ひげ》を生やしている、――そうさな、まあ一言《いちごん》にいえば、風流愛すべき
好男子だろう。」
「若槻峯太郎《わかつきみねたろう》、俳号《はいごう》は青蓋《せ....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
。学生時代にはベエスボールの選手だった、その上道楽に小説くらいは見る、色の浅黒い
好男子なのです。新婚の二人は幸福に山の手の邸宅に暮している。一しょに音楽会へ出か....
「星座」より 著者:有島武郎
をありがたくさっきから聞いていたんだよ。よく考えてみよう」
「考えてみよう?……
好男子、惜しむらくは兵法を知らず……まあいい、もう行け」
「僕も人見君といっしょ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
な、楽しげなものではなく、主税は何か、思い屈した、沈んだ、憂わしげな色が見える。
好男子世に処して、屈託そうな面色で、露店の三世相を繰るとなると、柳の下に掌を見せ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
んで、レビュウ団の座員見習として採用してもらうこととなったのであった。彼は長身の
好男子だったし、それに音楽にも素養があるし、タップ・ダンスはことに好きで多少の心....
「蠅男」より 著者:海野十三
」 と、署長は、白面無髯に、金縁眼鏡をかけているというだけの、至って特徴のない
好男子の池谷与之助の顔に心の中で唾をはいていた。 「なんだ、怪しいというのは、た....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
士の下に社会学をやっていた、少し出歯ではあったが、からだの小さい、貴公子然とした
好男子だった。 ある晩、学校からの帰りに、同じ生徒の高橋という輜重兵大尉が、彼....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
当に刑務所に送られてしまえば、そんな大きな犠牲はない。 それでは誰かすこぶるの
好男子をさがしだして、不倫を強いるようで悪いが、ヒルミ夫人が恋慕するようにはから....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
があったってな、危いじゃないか。」 と云う内に自から真心が籠って、 「一思いに
好男子、粉にする処だっけ。勿論、私がこうして御近所に陣取っていれば、胴切にされた....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
に叩頭したのは…… 「あら。」 附髯をした料理番。並んで出たのは、玄関下足番の
好男子で、近頃夢中になっているから思いついた、頭から顔一面、厚紙を貼って、胡粉で....
「墓」より 著者:秋田滋
かったクールバタイユは、そこで、やおら立ち上った。背丈のたかい、鳶色の頭髪をした
好男子で、いかにも実直そうな顔をしており、その顔立ちにはどことなく凛としたところ....
「春」より 著者:岡本かの子
あ地の中へ潜り度い。 京子の手紙四 加奈子の旦那さんは好い人よ。だけど若いうち
好男子ぶって加奈子を嫌がらせたってから、私あんまり好かないわ。加奈子は若いうち私....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
兀げたが、活きているようで、――(先には店頭にあったのだと後で聞いた)――息子は
好男子なのに、……八郎の言った福助の意味も分ったが、どこに居ても、真夜中には、ふ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
「御配慮なされますな。と気軽に飛出し、表門の前を足早に行懸れば、前途より年|少き
好男子の此方に来懸るにはたと行逢いけり。擦違うて両人|斉しく振返り、月明に顔を見....