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好都合
「好都合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
好都合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
支那と云う国籍だけはほとんど有無《うむ》を問《と》われないだけに、頗《すこぶ》る
好都合《こうつごう》に出来上っている。君はまだ高等学校にいた時、僕に「さまよえる....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
だし》に、まだ何か発表しない原稿があるかも知れません。
編輯者 そうすると非常に
好都合ですが――
小説家 (机の抽斗を探しながら)論文ではいけないでしょうね。
....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
はその言葉も聞えないように、鉄瓶のぬるんだのを気にしていた。
「そいつはなおさら
好都合だ。――どうです? お蓮さん。その内に一つなりを変えて、御酌を願おうじゃあ....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
係は出て来るのです。……ざっと筋を話して見ましょうか?
主筆 そうして頂ければ
好都合《こうつごう》です。
保吉 女主人公《じょしゅじんこう》は若い奥さんなの....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
に違いない。のみならず後年声誉を博し、大いに父母の名を顕《あら》わしたりするのは
好都合の上にも
好都合である。しかし十五歳に足らぬわたしは尊徳の意気に感激すると同....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
って引受けそうなもんだ。」――こう云う泰さんの言葉を聞いていると、いかにも万事が
好都合に運びそうな気がしますから、いよいよ新蔵はその計画と云うのが知りたくなって....
「或る女」より 著者:有島武郎
のどかに香《かお》りのいい煙を座敷に漂わした。
「お留守ですか……それはかえって
好都合でした……もう夏らしくなって来ましたね、隣の薔薇《ばら》も咲き出すでしょう....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
笑うのに前歯が露出。 「はははは、すなわち御持せのお車、早速間に合いました。実は
好都合と云って宜しいので、これと申すも、偏に御縁のごわりまする兆でごわりまするな....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ちの興味を惹いていた宇宙進化の諸問題に関するいろいろな考え方の歴史的集成をすれば
好都合なわけである。 ところが今度ある別な事情のために、ニュートンの出現以前に....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
率と衞生、各人の自由の尊重、規律ある共同的日常行動等も、この種の住宅ならば極めて
好都合に實現し得るのではあるまいか。 新農村生活はまた、舊來の家族制度にまつわ....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
治兵衛坊主は、お前さんの親たち、弟に逢った事はないか。――なければそれもなお
好都合。あの人たちに訳を話すと、おなじ境界にある夥間だ、よくのみ込むであろうから....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
参りしには、ちと分別が見え過ぎる。 「怪しからぬ山伏め、と貴辺がお思いなされたで
好都合。その御婦人が手前の異形に驚いて、恍惚となられる。貴辺は貴辺で、手前の野譫....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
恐らく森の蝉時雨だって、ぴったり鳴き止んだことでございましょう。ただその際何より
好都合であったのは、姫の父君が珍らしく国元へ帰って居られたことで、御自身采配を振....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
らぶら散歩しながら、娘を口説くのだった。この時刻は恋人が雄弁をふるうのにいちばん
好都合なのである。 どうすれば女を口説きおとすことができるか、わたしは知らない....
「西航日録」より 著者:井上円了
ゴルシュライ停車場にて袂を分かち、氏はデリーに向かいて乗車す。今回ヒマラヤ見物の
好都合に運びたるは、全く氏の好意に出ず。旅行中、氏の作もすこぶる多く、互いに唱和....