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「好風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

好風の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惜別」より 著者:太宰治
しい生徒が乗り合わせていたので、にわかに興が醒めて、洞庭西湖を恥じざる扶桑第一の好風も、何が何やら、ただ海と島と松と、それだけのものの如く思われて、甚だ残念、と....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
美々しく致すよう」 ――で、その翌朝、大供を従え、鏡葉之助は発足した。玲瓏たる好風貌、馬上|手綱を掻い繰って、草木森々たる峠路を伊那から諏訪へ歩ませて行く。進....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
下ろす寝覚の床。そこへ来て見ると案の如く幾多の旅人が指をさし、眼をすまして、その好風景を観賞しているにはいるが、道庵の姿らしいのは一つも見えない。 弁天の祠《....
源氏物語」より 著者:紫式部
てみると非常におもしろかった。源氏は京にいたころ、風景を描くのに人の話した海陸の好風景を想像して描いたが、写生のできる今日になって描かれる絵は生き生きとした生命....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
その袴をちょいとひっぱると、あわてて膝の下から大切の袴をひき出して坐り直すという好風景です。お母さんというひとの武骨な指にダイアモンドが輝いています。お盃を女中....
文学に現れたる東北地方の地方色」より 著者:佐左木俊郎
中に松島の風光が詳しく記されてあります。 「抑ことふりにたれと 松嶋は扶桑第一の好風にして 凡洞庭西湖を恥ず 東南より海を入て 江の中三里 逝江の潮をたたふ 嶋....
赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
日本の多島海――日本の地中海とも云う可き瀬戸内海へ這入った時は、評判に背かず好風景だとは思ったが、しかし大して感動はしなかった。内地の景色を見飽きている者は....
葛飾土産」より 著者:永井荷風
らさして遠くもない市川の町の附近に、むかしの向嶋《むこうじま》を思出させるような好風景の残っていたのを知ったのは、全く思い掛けない仕合せであった。 わたくしは....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ようやく近づきてその風景の画図中の山水に類するがごときものを見る。かくのごときの好風景は、ひとたび日本を出でてより、いまだかつて見ざるところなり。実に日本は天地....
西航日録」より 著者:井上円了
を屈する風景なり。 十九日、朝スイスのバーゼルを発し、フランス・パリに向かう。好風晴日、加うるに緑葉染むるがごとく、麦田あり、桑田あり、村落の遠近に碁布するあ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
るかに汽船を望む。当夕、船中の無聊を慰むるために大合奏会あり。 十二日、晴れ。好風穏波連日のごとし。昨日正午より今日正午まで一昼夜間に、わが船三百九十一マイル....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ころの生活が、光り輝く山河であります。たとえこちらの眼が曇っていて、直ぐにはその好風景は味わえなくとも。 歌人西行も、この倶楽部の会員でありました。そしてその....