如く[語句情報] » 如く

「如く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

如くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
の打紐のついた懐中時計を右の掌《たなごころ》の上にのせながら、依然としてポンプの如く時間表の前に佇立《ちょりつ》しているのである…… あとで、それとなく聞く....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
女菩薩《にょぼさつ》の画像《えすがた》を親子のものの頭《かしら》の上に、日を蔽う如くさしかざすと、 「天上皇帝の御威徳は、この大空のように広大無辺じゃ。何と信を....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
歩を移した。 本多子爵は壮年時代の美貌《びぼう》が、まだ暮方《くれがた》の光の如く肉の落ちた顔のどこかに、漂《ただよ》っている種類の人であった。が、同時にまた....
煙管」より 著者:芥川竜之介
するとある日、彼等の五六人が、円《まる》い頭をならべて、一服やりながら、例の如く煙管の噂《うわさ》をしていると、そこへ、偶然、御数寄屋坊主《おすきやぼうず》....
女体」より 著者:芥川竜之介
体の美しさを、如実に観ずる事が出来たのである。 しかし、芸術の士にとって、虱の如く見る可きものは、独り女体《にょたい》の美しさばかりではない。 (大正六年九月)....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
る老木の梅の影が、何間《なんげん》かの明《あかる》みを、右の端から左の端まで画の如く鮮《あざやか》に領している。元|浅野内匠頭《あさのたくみのかみ》家来、当時|....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
。我我は人生の泉から、最大の味を汲《く》み取《と》らねばならぬ。『パリサイの徒の如く、悲しき面もちをなすこと勿《なか》れ。』耶蘇《やそ》さえ既にそう云ったではな....
忠義」より 著者:芥川竜之介
して、きっと御登城おさせ申しましょう。」 これを聞くと、修理の顔は、急に別人の如く喜びにかがやいた。その変り方には、役者のような巧みさがある。がまた、役者にな....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
した。―― 「三菱社員忍野半三郎氏は昨夕《さくゆう》五時十五分、突然発狂したるが如く、常子夫人の止《と》むるを聴《き》かず、単身いずこにか失踪したり。同仁《どう....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
舌に呑まれるか、杜子春の命は瞬く内に、なくなってしまうと思った時、虎と蛇とは霧の如く、夜風と共に消え失せて、後には唯、絶壁の松が、さっきの通りこうこうと枝を鳴ら....
兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
いる一切の俗気を洗ってしまえば、正に菊池は立派な苦労人である。その証拠には自分の如く平生好んで悪辣な弁舌を弄する人間でも、菊池と或問題を論じ合うと、その議論に勝....
恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
、規則的なるよりも一層規則的に見えしなるべし。僕は恒藤の親友なりしかど、到底彼の如くに几帳面なる事能わず、人並みに寝坊をし、人並みに夜更かしをし、凡庸に日を送る....
良夜」より 著者:饗庭篁村
、気をお付けなさいよ、早く帰ってお出よ」と同じ言を繰り返されたり。予は凱旋の将の如く得々として伯父より譲られたる銀側の時計をかけ革提を持ち、「皆様御健勝で」と言....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
て、雄々しく、清らかなる、不変の愛情他にあるべきや。宛も燃ゆるダイヤモンドのその如く」 と、美しい筆致で描かれてある。 ファラデーは結婚後、家庭が極めて幸福だ....
夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
押絵の奇蹟』だったのである。 久作さんはかくして名探偵作家として突然にも、夢の如く現れて来たのであった。 筆者がまだ郷里の商業学校の生徒であった頃、最近も穿....