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「如何せん〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

如何せんの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
大方其の言葉を信じました、信ずればこそ一生懸命に肩を入れ充分弁護しましたけれど、如何せん其の時は総ての事情が秀子に指さして居る様に見え、私も反対の証拠を上げ得な....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
見なければ中々に安心は出来んと思い起しました。 妻子を助けたき山々なれど、吾は如何せん冤罪の下にオメ/\と絞首台に上がらなければならんのか、あゝ、世は無常々々....
模倣と独立」より 著者:夏目漱石
かぬ。丁度《ちょうど》跛を兵式体操《へいしきたいそう》に引き出したようなもので、如何せんどうも歩調が揃《そろ》わぬ。それは、諸君と行動を共にしたいけれども、どう....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
州に於てをやだ。……これに進出しないでドウなるものか。日本内地三千万の人口過剰を如何せん……というのが吾輩の在学当時からの持論だったが……ウン。君も散々聞かされ....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
、分家の岡安一派まで、いずれ江戸ッ児ならぬはないが、趣味の上からは、チト野暮なを如何せん。 さるにても常磐津といい清元といい、年々に名人の病衰して亡びゆくこと....
十姉妹」より 著者:山本勝治
かなものになし得ても祖父の歯牙は、既に区長授与の刹那に於て抜け落ちてしまったのを如何せん……であった。 その夜、父は、祖父と慎作との間で眼の遣り場に困っていた....
関牧塲創業記事」より 著者:関寛
りにして眼胞は腫れて、且つ諸所に出血する事あり。此痛みと出血するとは耐忍するも、如何せん払えども及ぶべからず。加之眼胞は腫れて視る事を妨げ、口鼻より小虫は入るあ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
わ。 二十日づけのお手紙、けさ着。ではこれから卵さし入れましょう。卵に声なきを如何せん。そんな詩をよんだ女は、支那の女流詩人にも居りませんね。あれほど支那の古....
情意の干満」より 著者:豊島与志雄
かに呑みこまれる。傑れた思想や作品にめぐり逢っても、畢竟、斯かるものでこの人生を如何せんやという思いが強い。私は人生のことを考えるのである。人間の生活、その悲惨....
女大学評論」より 著者:福沢諭吉
も其軽快を祈るこそ人間の道なれ。若《も》しも妻の不幸に反して夫が癩病に罹りたらば如何せん。妻は之を見棄てゝ颯々《さっさつ》と家を去る可きや。我輩に於ては甚だ不同....
新女大学」より 著者:福沢諭吉
言わしむるかして、親子共に非常の便利ある可し。固《もと》より願わしき事なれども、如何せん、是れは唯今日の希望にして、今日の実際に行う可らず。強いて実行せんとすれ....
煎じ詰めれば」より 著者:桐生悠々
人類にその愚を悟らしめつつ、これをこの境地に導かんとしているのである。 だが、如何せん、彼等は国家の権力を擁して、我に臨みつつあることを。そして彼等は我をして....
自由の真髄」より 著者:新渡戸稲造
即ち外部の矩に反けば外部の利益自由を失う、生命をも失う、これは承知でありながら、如何せん止むに止まれぬ、反くに反かれぬ命令が心の中に発布せられ、その矩に従わざる....
黒田如水」より 著者:吉川英治
より考えているし、主君信長様の烱眼が将来の計を怠っておらるるはずもない。しかし、如何せん、織田家の四隣は余りにも多事で、先年は伊勢へ出征し、この五月には長篠の大....
こども風土記」より 著者:柳田国男
玩具流行のもとで、形には奇抜なものが多く、小児の想像力を養うには十分であったが、如何せん、そういう喜びを味わう折が以前はきわめて少なかったのである。おみやげとい....