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「如月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

如月の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:菊池寛
国に下り、そこの便船を求めて、硫黄商人の船に乗り、鬼界ヶ島へ来たのは、文治二年の如月半ばのことだった。 寿永四年に、平家の一門はことごとく西海の藻屑となり、今....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
ません位で御座いますが……何でもあの巻物は、向うに屋根だけ見えております……あの如月寺というお寺様の、御本尊の腹の中に納っておりましたものだそうで、それを見ます....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
。 松崎は見て悚然とした…… 名さえ――お稲です―― 肖たとは迂哉。今年|如月、紅梅に太陽の白き朝、同じ町内、御殿町あたりのある家の門を、内端な、しめやか....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
如月のはじめから三月の末へかけて、まだしっとりと春雨にならぬ間を、毎日のように風....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
え、私あの時の事を思出したの、短刀で、ここを切られた時、」…… と、一年おいて如月の雪の夜更けにお染は、俊吉の矢来の奥の二階の置炬燵に弱々と凭れて語った。 ....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
伊勢国|古市から内宮へ、ここぞ相の山の此方に、灯の淋しい茶店。名物|赤福餅の旗、如月のはじめ三日の夜嵐に、はたはたと軒を揺り、じりじりと油が減って、早や十二時に....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
わたって来る風はつめたいけれども日光は暖い、いかにも早春のような日和です。二月を如月《きさらぎ》というのは面白いことね。夕刻風にふきはらわれて暗くなりながら青く....
雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
ジナル・ストーリーの欠乏ということも一応問題にしなければなるまい。 北村小松、如月敏、山上伊太郎というような人たちはいずれも過去においては代表的な映画脚本作家....
豊竹呂昇」より 著者:長谷川時雨
ぐいす》が夢をゆすりに訪れて来てくれるようになればよいと春暁の心地よさを思った。如月《きさらぎ》は名ばかりで霜柱は心まで氷らせるように土をもちあげ、軒端《のきば....
殺人迷路」より 著者:佐左木俊郎
の女と同一人だ。 「これだっ! これ、これは何という女優かね?」 「三映キネマの如月真弓という女優だよ。今、やっと売り出しかかっている女優なんだ。そら、いつか、....
殺人迷路」より 著者:甲賀三郎
親友? 仇敵? 疑問の洋装の女が、三映キネマの如月真弓! 寺尾に示されたスチールで、それを発見した津村は唸った。 雑誌記者....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
り。何にしろ食ったものさえ、水菜と湯葉です。あの、鍋からさらさらと立った湯気も、如月の水を渡る朝風が誘ったので、霜が靡いたように見えた、精進腹、清浄なものでしょ....
註文帳」より 著者:泉鏡花
。 二 あとは往来がばったり絶えて、魔が通る前後の寂たる路かな。如月十九日の日がまともにさして、土には泥濘を踏んだ足跡も留めず、さりながら風は颯....
東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
から言葉も多少輸入され、日本の国語も影響を受けずにはおらない。今はちょうど二月で如月でありますが、木更衣とも書きます。木が衣物を着換えるというような意味で、木の....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ら見送っていた。 「暗い晩だな……。ああ、行ってしまった」祈るようにつぶやいた。如月近くを思わせる、冷やかな東風が吹きだして、小さい風の渦が、一月寺の闇に幾つも....