»
妄
「妄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
妄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
とは功利の外に美なるものを愛するを言ふ。
「その三は傲慢《がうまん》也。傲慢とは
妄《みだり》に他の前に自己の所信を屈せざるを言ふ。
しかし教師も悉《ことごと》....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
を経たり」と断《ことわ》っている。
(二)「農家義人伝」、「本朝《ほんちょう》姑
妄聴《こもうちょう》」(著者不明)等によれば、伝吉の剣法《けんぽう》を学んだ師匠....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
う》と承わったが、この法師の眼から見れば、天上皇帝の照覧を昏《くら》まし奉って、
妄《みだり》に鬼神を使役する、云おうようない火宅僧《かたくそう》じゃ。されば仏菩....
「河童」より 著者:芥川竜之介
しかしわたしに言わせれば、悪人よりもむしろ雌の河童につかまることを恐れている被害
妄想《ひがいもうぞう》の多い狂人です。……そこでこの雌の河童は亭主のココアの茶碗....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
、如来の弟子たちもたいていは身分の高い人々である。罪業《ざいごう》の深い彼などは
妄《みだ》りに咫尺《しせき》することを避けなければならぬ。しかし今は幸いにも無事....
「女体」より 著者:芥川竜之介
楊某《ようぼう》と云う支那人が、ある夏の夜、あまり蒸暑いのに眼がさめて、頬杖をつきながら腹んばいになって、とりとめのない
妄想《もうぞう》に耽っていると、ふと一匹の虱《しらみ》が寝床の縁《ふち》を這って....
「路上」より 著者:芥川竜之介
「しかし天才は天才だが、気違いはやはり気違いだろう。」
「そう云う差別なら、誇大
妄想狂《こだいもうぞうきょう》と被害《ひがい》
妄想狂との間にもある。」
「それと....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
きしを如何《いかん》。云うこと勿れ、巴※※《はびあん》、天魔の愚弄する所となり、
妄《みだり》に胡乱《うろん》の言をなすと。天主と云う名に嚇《おど》されて、正法《....
「竜」より 著者:芥川竜之介
居ようも知れぬ道理《ことわり》じゃ。』と、説法したそうでございます。何しろ出家に
妄語《もうご》はないと日頃から思いこんだ婆さんの事でございますから、これを聞いて....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
じゅほうど》じゃ。その方づれ如き、小乗臭糞《しょうじょうしゅうふん》の持戒者が、
妄《みだり》に足を容《い》るべきの仏国でない。」
こう云って阿闍梨は容《かたち....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
との節約である。道徳の与える損害は完全なる良心の麻痺《まひ》である。
*
妄《みだり》に道徳に反するものは経済の念に乏しいものである。
妄に道徳に屈するもの....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
どう云う人間かと云う事は、佐渡守もよく知っている。何か仔細《しさい》がなくては、
妄《みだり》に主家《しゅか》を駈落ちなどする男ではない。こう思ったから、佐渡守は....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
とせば、一家の主人たる責任のいかに重大なるかは問うを待たず。この一家の主人にして
妄《みだり》に発狂する権利ありや否や? 吾人はかかる疑問の前に断乎《だんこ》とし....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
」 僕等はそんなことを話し合ったりした。しかし僕の家は焼けずに、――僕は努めて
妄想を押しのけ、もう一度ペンを動かそうとした。が、ペンはどうしても一行とは楽に動....
「彼の長所十八」より 著者:芥川竜之介
る事。大作をやる気になったり、読み切りそうもない本を買ったりする如き。 十一、
妄に遊蕩せざる事。 十二、視力の好き事。一しょに往来を歩いていると、遠い所の物....