妄説[語句情報] »
妄説
「妄説〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
妄説の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
至極じゃ。蘭書の絵図と、寸分の違いもござらぬ。和漢千載の諸説は、みな取るに足らぬ
妄説と定《さだ》まり申した。医術はもはやオランダに止めを刺し申した」 「至極じゃ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
もなく、地蔵は時々に踊るのです。そこで役人も一旦は無事に引き揚げたのですが、妖言
妄説の取締りを厳重にする時節柄、こういうことを黙許していて善いか悪いか、次第によ....
「芥川の事ども」より 著者:菊池寛
くらいである。 しかるに、何ぞや「芥川は、あの読本で儲けて書斎を建てた」という
妄説が生じた。中には、「我々貧乏な作家の作品を集めて、一人で儲けるとはけしからん....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
か、新帝が比叡山へ行幸の途中|鳳輦を奪い奉ったものがあらわれたとかの類だ。種々の
妄説はほとんど世間の人を迷わすものばかりであったからで。 「お母さん、これもあと....
「傾城買虎之巻」より 著者:直木三十五
の報告に出鱈目を云ってきたりした時分だから、 「年々色をかえ品をかえたる流言の
妄説《うそばなし》、懲《こり》も無く毎年|化《ばか》されて、一盃ずつうまうまと喰....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
舎と東京との違いだろう。 さて二十七日の帝国在郷軍人会の大会では、機関説という
妄説が軍人の信念と相容れないことを明らかにしたばかりではなく、同時に国防観念を強....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
まずそれに先き立って、貴方様の卓越した推理法に依り、奇蹟を否定しようとする凡ゆる
妄説を排除して頂きたく、御願いする次第で御座います――。 恐らく読者諸君は、盤....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
えるにつれて、輪廻説の影響による転生だの転身だのということは、みなとるにも足らぬ
妄説にすぎないと考えるようになった。 背嚢から小さな手鏡を出し、蝋燭の灯に近づ....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
れたる子を穴に埋めて後を絶たんとせり。いずれをもって孝行とするか、前後不都合なる
妄説ならずや。畢竟、この孝行の説も、親子の名を糺《ただ》し上下の分を明らかにせん....
「妖怪学」より 著者:井上円了
夢中に知るの類これなり。これ、世間に多くその例あるを聞くところにして、いまだ全く
妄説に帰すべからず。今、さらに二、三の例を挙ぐれば、一夜、父母の病気およびその死....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
等なる想像世界をいわゆる夢中に浮かぶるものなれば、夢によりて吉凶をきたすがごとき
妄説は、あえて取るに足らずといえども、またよくこれを判断して、その人の心内に思う....
「迷信解」より 著者:井上円了
時にありてもその怨念が人を悩ますことができると思っておる。これ、世のいわゆる祟の
妄説の起こるわけじゃ。よって祟のことを説く前に、死霊、生霊のことを述べなければな....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
にシナから
吐かなかった。なにしろ悪い考えで拵えたのではなかろうけれども、余りに
妄説が沢山記してありますから少し見識あるものが見れば嘘な事は分るです。
けれど....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
りとなすと同一なり。 また問うて曰く、ヤソ教の『バイブル』中に説くがごとき怪誕
妄説は信ずべからずといえども、かのユニテリアン宗に立つるがごとき造物主あるの説は....
「日本歴史の研究に於ける科学的態度」より 著者:津田左右吉
が政治的権力と乱暴な気ちがいじみた言論とによって、甚しく圧迫せられると共に、虚説
妄説が声高く宣伝せられることによって、国民の多くが迷わされも惑わされもし、そうし....