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妊婦
「妊婦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
妊婦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ある崖上の感情」より 著者:梶井基次郎
科の病院の窓であった。それは病院と言っても決して立派な建物ではなく、昼になると「
妊婦預ります」という看板が屋根の上へ張り出されている粗末な洋風家屋であった。十ほ....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
番号は、D50・444号で、碾臼の様に頑固で逞しい四対の聯結主働輪の上に、まるで
妊婦のオナカみたいな太った鑵を乗けその又上に茶釜の様な煙突や、福助頭の様な蒸汽貯....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
にも種類があった。酸味のある果物は喘ぐように貪り喰った。道端に実っている青梅は、
妊婦のように見逃がさず※いで噛んだ。 「喰ものでも変っているのね、あなたは」 「....
「足迹」より 著者:徳田秋声
の動くこと。」と、九州訛りのあるその産婆は、これが手、これが肩などと言って、一々
妊婦の手に触らせていた。 「六月やそこいらで、そう育っているのでは、お産がさぞ重....
「土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
魂がそこらに散乱していた。吹き飛ばされると同時に、したゝかにどっかを打ったらしい
妊婦は、隅の方でヒイ/\虫の息をつゞけていた。 二十一人のうち、肉体の存在が分....
「鍛冶の母」より 著者:田中貢太郎
、その間に二三人の人が坐っても好いようになっているのを見つけた。 飛脚は其処へ
妊婦を置くことに定めて、腰にさしていた刀で、その傍から数多の葛を切って来て檜の樹....
「大震火災記」より 著者:鈴木三重吉
け歩く。びっくりしたのと、無理に歩いて来たのとで、きゅうに産気づいて苦しんでいる
妊婦もあり、だれよだれよと半狂乱で家族の人をさがしまわっているものがあるなどその....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
萄《ぶどう》の房《ふさ》の、ふくれ上がった麦の穂の、熟した果実を孕《はら》んでる
妊婦の、朧《おぼ》ろなる喜び。大オルガンのとどろき。底のほうで、蜜蜂《みつばち》....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
のたりのたり哉」まさに隅田がそうであった。おりから水は上げ潮で河幅一杯に満々と、
妊婦の腹のように膨れていた。荷足、帆船、櫂小船、水の面にちらばっていた。両岸の家....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
は、玉藻前を思い出した。お由羅という奸婦は、公の世子を呪い殺すどころか、あいつ、
妊婦の腹を裂いて、赤子の生胆を取りかねまじき奴じゃ。美女には、得てしてああいう惨....
「印象」より 著者:小酒井不木
たちは、通常妊娠の人工的中絶即ち人工流産をすすめるのであります。然し、時として、
妊婦は、自分の身体を犠牲としてもかまわぬから、胎児を救いたいと希望します。夫婦の....
「屍体と民俗」より 著者:中山太郎
として次の如きものもある。 * 福島県平町附近の村々では、
妊婦が難産のために死亡すると、その
妊婦の腹を割き胎児を引き出して
妊婦に抱かせて埋....
「本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
である。しかるにこうした事は他にも類例がある。 福島県平町附近の村々では、昔は
妊婦が難産のために死ぬと、
妊婦の腹を割き胎児を引き出して
妊婦に抱かせ(愛媛県では....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
のある身のうえ、殊に懐妊して七月に成りまするもの、何うぞ御勘弁を願います」 賊「
妊婦か、色気が無えナ」 乙賊「何うせ役にゃア立たねえから、諦らめて、命が欲しけり....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
村荘八はこれを根岸の縁日において発見して大いに喜び、その芸に精通し、ことに鬼婆が
妊婦をさいてそのはらの子を食う人形ぶりに至っては真にせまれるものあり、人形のこと....