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妓
「妓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
妓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
趙生は酢蟹《すがに》を肴に、金華酒《きんかしゅ》の満《まん》を引きながら、盛んに
妓品《ぎひん》なぞを論じ立てるのである。
その王生がどう云う訳か、去年の秋以来....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
かんじゃ》の一人になっていたんだ。何でも日清戦争中は、威海衛《いかいえい》のある
妓館《ぎかん》とかに、客を取っていた女だそうだが、――何、どんな女だった? 待ち....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
」
倭将の一人――小西行長はずっと平壌《へいじょう》の大同館《だいどうかん》に
妓生《ぎせい》桂月香《けいげつこう》を寵愛《ちょうあい》していた。桂月香は八千の....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
づいて行った。………
* * * * *
僕はやはり同じ日の晩、或|
妓館《ぎかん》の梯子段《はしごだん》を譚と一しょに上って行った。
僕等の通った....
「老年」より 著者:芥川竜之介
も口を出した。
房さんの噂はそれからそれへと暫くの間つづいたが、やがて柳橋の老
妓の「道成寺」がはじまると共に、座敷はまたもとのように静かになった。これがすむと....
「星座」より 著者:有島武郎
い相談だった。窓という窓には眼隠しの板が張ってあって、何軒となく立ちならんでいる
妓楼《ぎろう》は、ただ真黒なものの高低《たかひく》の連なりにすぎないけれども、そ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
て談じたです。あんなものに朋輩呼ばわりをされるような悪い事をしたか。そこいらの芸
妓にゃ、魚屋だの、蒲鉾屋の職人、蕎麦屋の出前持の客が有ると云うから、お前、どこぞ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
やしょう、金棒の音に夜更けの景色。霜枯時の事ながら、月は格子にあるものを、桑名の
妓達は宵寝と見える、寂しい新地へ差掛った。 輻の下に流るる道は、細き水銀の川の....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
うである。 が、開き直って、今晩は、環海ビルジングにおいて、そんじょその辺の芸
妓連中、音曲のおさらいこれあり、頼まれました義理かたがた、ちょいと顔を見に参らね....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
のだとか申しますのね。」 「そうですって。……『たそがれ』……というのが、その娼
妓――遊女の名だって事です。」 と、凜とした眦の目もきっぱりと言った。簪の白菊....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
朝顔が参って候。 謙造は、一目見て、紛うべくもあらず、それと知った。 この芸
妓は、昨夜の宴会の余興にとて、催しのあった熊野の踊に、朝顔に扮した美人である。 ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
なんぞおなり遊ばして、可うござります、翌日は暗い内から婆々が店頭に張番をして、芸
妓さんとでも腕車で通って御覧じゃい、お望の蛸の足を放りつけて上げますに。」と煙草....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
、橋を渡りましたり、路地を抜けましたり。……それが死にましてからはな、川向うの芸
妓屋道に、どんな三味線が聞えましても、お客様がたは、按摩の笛というものをお聞きに....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
『仮名読新聞』によって目醒ましい活躍をした人で、また猫々道人とも言ったりした。芸
妓を猫といい出したのも、魯文がはじめである。魯文は後に『仮名読新聞』というものを....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
る久米、真白草花の涼しげなるにも、よき人の面影を忘れ得ぬ久米、鮮かに化粧の匂える
妓の愛想よく酒を勧むる暇さえ、「招かれざる客」の歎きをする久米、――そう云う多感....