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「妖冶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

妖冶の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
時旗太郎が、妙に老成したような態度で、冷たい作り笑いを片頬に泛べた。「さて、その妖冶な性質を、法水さんに吟味して頂きたいですがね。――そもそも、あの時|竪琴の方....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
一同を集め、事件の真相を発表した。淡い散光の下で昨夜通りの書割の前で、法水はあの妖冶極まりない野獣――陶孔雀の犯罪顛末を語り始めたのであった。 「最初に順序とし....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
まで豊艶《ゆたか》になって、全身の姿の何処ということなく、正業の女には見られない妖冶《ようや》な趣が目につくようになった。この趣は譬《たと》えば茶の湯の師匠には....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
強くなろうとした。その底には、数奇な運命にねじけて来た性格が、ようやく年を経て、妖冶な花をもちかけていた。 もうこの屋敷へ預けられてから数日。 伊織は、悪戯....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、流れている柔らかい線の情味、蛍草に押されて、むッちりとした乳のあたり……。その妖冶な漂いが、いっそうお十夜の鬱憤をムカつかせて、所詮、ただ魔刀の酬いだけではあ....