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妖美
「妖美〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
妖美の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少女地獄」より 著者:夢野久作
見した。それは精神異常者の昂奮時によく見受けるところの純真以上に高潮した純真さ、
妖美とも凄艶とも何とも形容の出来ない、色情感にみちみちた魅惑的な情欲の光であった....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
』の主人公たる無双の美少年俳優の相手役となりまして、互いに、あらゆる精神科学的の
妖美と、戦慄とを描き出すべきそのエース花形女優は、かくして取りあえず、寝棺の中の....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
いの呉羽嬢の丸髷姿の写真が、薄い小さな唇の片隅から白い歯をすこしばかり洩らした、
妖美な笑いを凝固させており、その周囲に一寸角から初号、一号活字ぐらいの赤や黒の大....
「わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
さげ、五尺に足らない小男のくせに、ひどく大きな声だつた。 四郎と共に、否、かの
妖美なる姿態と共に同じ運命を辿ることは彼の願望であつたけれども、彼の真実の願望と....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
る。白い顎の上から左の耳へかけてきゅっと笑っている三日月形の唇元にただよっている
妖美にかくれているものだった。 「さ、おじさん、出かけましょう」 と城太郎はそ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
道に捨てられてあると、その青貝模様の光が、蛍のかたまりが落ちているように、ひどく
妖美に燦々と見える。
「――おや?」
すぐ後から、居酒屋を出て来た六部がそれを....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
しないものねエ」 梯子段へ肱をのせて、こういう調子なり姿態なりが、毒婦のように
妖美であった。 お吉は、それが川長のお米ではないように見えた。 あの、気の弱....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
つい浮かぶ通念にすぎないことで、男心の裏から観ると、それはすぐ男の邪念に結びつく
妖美な極印を花の貌に一ツ加えたものといえなくもない。兼好もふと想像する――。かか....
「旗岡巡査」より 著者:吉川英治
に腰をかけている犯人は、細巻の女煙草を紅い唇にくわえ、煙たそうに眼を細めながら、
妖美な顔をよけい
妖美に顰めている。 振袖のような絹の寝巻に日本の帯を締めて。―....