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「妖雲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

妖雲の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
狂言の神」より 著者:太宰治
りなくできそうな気がして来て、俗的なるものの純粋度、という緑青《ろくしょう》畑の妖雲論者《よううんろんしゃ》にとっては頗《すこぶ》るふさわしからぬ題目について思....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
畢生《ひっせい》の望はこれを充たすになお余りありというべし。(中略) 今や戦闘の妖雲は全欧を蔽えり。陛下もし臣に賜うに数行の詔勅をもってし給わば、臣は直ちに治平....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
はないかと思う。処でエンライトゥンされアウフクレーレンされるものは、例えば闇とか妖雲とかいうものでなければなるまい。歴史上では、それは封建的な残存機構から自然生....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
物好きも、すっかり忘れてしまっていたそうです。 その時、青天白日、どこを見ても妖雲らしいもののない、空中がクラクラと鉛のようなものに捲かれて、何か知らんが圧迫....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
しいや。 「どうも、女という奴は……」 鎌倉の山々の杜から、男という男の咒いが妖雲となって、立ちのぼっている。 「カンベンならねえ」 しかし、あなた方が円覚....
もう軍備はいらない」より 著者:坂口安吾
から出てきた足でさッそくドスをのむ奴の云いぐさだ。 冷い戦争という地球をおおう妖雲をとりのぞけば、軍備を背負った日本の姿は殺人強盗的であろう。 貧乏者の子沢....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
雑草は目がとどく。天皇にだけしか目が届かんというわけではないのである。 世界に妖雲たちこめ、隣の朝鮮ではポンポン鉄砲の打ちッこしているという時に、こういう民草....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
品であろうと思った。 こういう特別仕掛けの住宅を見せつけられた上に、なんとなく妖雲ただよう天下の形勢というものを横目でにらんでいると、イヤでも何か買いだめて次....
二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
足りないが、日本の黎明は彼の総選挙より来るであろう。黎明は突如として捲き起これる妖雲によって、暫くは閉ざされようとも、吾々の前途の希望は依然として彼処に係ってい....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
織のもとに、十余代二百幾年、ていよく栄華をぬすんできた悪の府ではないか。――その妖雲にわずらわされて、月顔はれたまわぬは主上である」 「では訊ねるが、その徳川が....
武蔵旅日記」より 著者:山中貞雄
とばかり T「両刀抜き放ちて 飛びかかり」 身振り手振りも面白く T「この時妖雲 谷を覆い 山は轟々 と鳴り響く」 S=辻堂 猛々と立ちこめた白煙。....