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妖魔
「妖魔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
妖魔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
その内に橋の上では、また摩利信乃法師の沈んだ声がして、
「予はその怪しげなものを
妖魔《ようま》じゃと思う。されば天上皇帝は、堕獄の業《ごう》を負わせられた姫君を....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
て、霹靂《はたたがみ》の落ちかかるように叫んだ。 「雷震《らいしん》ここにあり。
妖魔亡びよ」 鉞をとり直して階段を登ろうとすると、女は金鈴を振り立てるような凛....
「人間灰」より 著者:海野十三
った。今夜こそ、もし何かあったら、それこそ彼は全身の勇を奮って、西風に乗ってくる
妖魔と闘うつもりだった。 丁度午後十一時半を打ったときに交番の前を、工夫体の一....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
テレンもどきの呪文を唱えたかと思えば、罷り出でたる大蟇一匹。児来也ばりの、伊賀流
妖魔の術とは、ても貧弱よな、笑止よな。そっちが伊賀流なら、こっちは甲賀流。蛇の道....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
最初には夫れと反対に、好運めいたものが参るものでござる。お気の毒な、純八殿じゃ。
妖魔に魅入られて居られやす哩。が夫れにしても彼の老僧抑々何物の変化であろう」 ....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
三千子の去った方角を見て、にやにやと笑った。 長身の案内者 見るからに、
妖魔の棲んでいそうな古い煉瓦建の鬼仏洞の入口についたのが、四時十五分過ぎであった....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
みへ隠れて私を待つのだ。白い尻尾が左右に動いているのが見える。私が近づくと彼女は
妖魔の如く、音もなく高く飛び上って、また次のしげみへ隠れて私を待つ。 銀はその....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
、下手の板戸は立附が悪くなって二寸も裾があき、頭があき、上手の襖は引手が脱けて、
妖魔の眼のように※然と奥の方の灰暗さを湛えている其中に、主客の座を分って安らかに....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ザが駈けつけて来たとき、姫は蒼白い死人の顔の前にひざまずいていた。その死人の顔は
妖魔のごとき月光のもとに微笑を浮かべて――....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
見ると、それには奇様な符号が、並んでいるにすぎなかった。 しかし法水は、それに
妖魔のような気息を吹き込んでいった。 「この一団の符号が、この真裏に当る、防堤の....
「俊寛」より 著者:倉田百三
につけ。わしにつけ。地獄に住む悪鬼よ。陰府に住む羅刹よ。湿地に住むありとあらゆる
妖魔よ。みなその陰気なる洞窟をいでてわしのまわりにつどえ。わしはわしの霊を汝らの....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
均しく過ごしたのであった。 常陸の国、河内郡、阿波村の大杉明神の近くに、恐しい
妖魔が住んでいるので有った。それに竜次郎は捕って、水鳥が霞網に搦ったも同然、如何....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
裏山の方を透して見た。すると大きな大きな欅の樹の、すでに立枯れになっているのが、
妖魔の王の突立つ如くに目に入った。その根下に、怪しい人影が一個認められた。 気....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
せば即ち神仙 卓は飛ぶ関左跡|飄然 鞋花笠雪三千里 雨に沐し風に梳る数十年 縦ひ
妖魔をして障碍を成さしむるも 古仏因縁を証する無かるべけん 明珠八顆|都て収拾す....
「蘭郁二郎氏の処女作」より 著者:大倉燁子
「夢鬼」がこの度上梓された。私は早速また繰返して読んだ。いくたび読んでも面白い。
妖魔の如き美少女葉子と、醜い憂鬱な少年黒吉との曲馬団の楽屋裏における生立から始ま....