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妖麗
「妖麗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
妖麗の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
が、今聞いている音楽のひびきも幾らかそれに似ていて、しかも人の魂をとろかすような
妖麗なものであった。彼は酔ったような心持で、その楽《がく》の音《ね》の流れて来る....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
連想に上《のぼ》った。けれども読者の心目《しんもく》を眩惑《げんわく》するに足る
妖麗《ようれい》な彼の叙述が、鈍《にぶ》い色をした卑しむべき原料から人工的に生れ....
「雪女」より 著者:岡本綺堂
に渾河の流れへ投げ込まれた。 この悲惨な出来事があって以来、大雪のふる夜には、
妖麗な白い女の姿が吹雪の中へまぼろしのように現われて、それに出逢うものは命を亡う....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
かった。小坂部は都にあった時とちっとも変わらない。むしろその当時よりもひとしおの
妖麗を加えたような笑顔を見せた。 「わたくしは姫山の古城の天主閣を永久の棲家と定....
「小坂部伝説」より 著者:岡本綺堂
決めてしまうのはどうも面白くないと思ったので、わたしは正体を説明せず、単に一種の
妖麗幽怪な魔女ということにして置いた。したがって、あれは一体何者だと云うような疑....
「妖怪漫談」より 著者:岡本綺堂
峰怪蹟の蛇妖のごときは、上田秋成の『雨月物語』に飜案された通りであるが、比較的に
妖麗な女に化けるというのは少い。その多くは老人か、偉丈夫に化けて来るのであって、....
「活人形」より 著者:泉鏡花
出行きたる少時後に、不思議なることこそ起りたれ。風も無きに人形の被揺めき落ちて、
妖麗なる顔の洩れ出でぬ。瑠璃のごとき眼も動くようなりしが、怪しいかな影法師のごと....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
る筈がない。 だが、静かにそこを冷観すると、なんという壮美な活景だろう。空には
妖麗な金剛雲――地にはほのかな宵月の明り。 花には露の玉があり、草は柔らかい呼....