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妙手
「妙手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
妙手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「盲人独笑」より 著者:太宰治
。然《しか》るに、近年勾当の令孫※君を識るに及び、勾当の性行逸事等を聞きて音楽の
妙手たりしのみならず、其他種々の点に於ても称揚すべきもの多かりしを知りぬ。云々。....
「女の決闘」より 著者:太宰治
ずるい、悪徳の芸術家が、一つあまさず見とどけて、的確の描写を為し、成功して写実の
妙手と称《たた》えられた。さて、それから事件は、どうなったのでしょう。まず、原文....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
。そうすれば、何も盗まれなかったように見せかけられるアルセーヌ・ルパンが発明した
妙手だ。その
妙手を模倣したんだ。しかしそれは何番|煎じかの出がらしだ。しかも入れ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の対座に引据えて、これもしきりに物語りをしておりました。 不破の関守氏は座談の
妙手である。これはお銀様のように、権威と独断を人に押しつけることをしないし、弁信....
「人の言葉――自分の言葉」より 著者:寺田寅彦
出す。唐画にもあらず。和風にもあらず。自己の工夫にて。新裳を出しければ。京じゅう
妙手として。皆まねをして。はなはだ流行せり。今に至りてはそれも見あきてすたりぬ。....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
うこう》し始めていた。それで軍隊は一挙に防寨におどりかかった。今は憤激もかえって
妙手段であった。強力なる戦列歩兵の一縦隊が、一定の間を置いて徒歩の国民兵と市民兵....
「本困坊・呉清源十番碁観戦記」より 著者:坂口安吾
うな対局をした。そのとき、秀哉名人が封じ手のあと、一門とはかって、次の手を考えて
妙手を発見したとやら、風説があるのである。 そんなことがあるから、勝負に必死の....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
に圏点をつける。人の悪口を書くのがいいと思っているので、そういう句があると「翻天
妙手、衆と同じからず」と誉め立てる。だから乃公には彼等の心が解るはずがない。まし....
「呉清源」より 著者:坂口安吾
時、秀哉名人が、一門の者を集めて、打ち掛けの次の打ち手を研究し、結局、前田六段が
妙手を発見し、このお蔭で、黒の良かった碁がひっくりかえって、負けとなった。こうい....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ということになるのだ。 碁や将棋でも同じことで、呉清源や、木村や、大山は、特に
妙手をさすでもなく、技術はさほどぬきんでてもいないが、勝負づよい、という。そして....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
引のことではありませぬ。これはまア、ちょッと智恵のある者は考えつく手です。最大の
妙手は甚吉の行方不明を目立たぬように工夫された急所の一手。即ち、甚吉も野草同様、....
「桂馬の幻想」より 著者:坂口安吾
につくといきなり四五桂とはねた。ところが、これが悪手だったのである。彼の見落した
妙手があったのだ。若輩に一時間四五十分も座を外されて津雲は立腹していたから、じっ....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
とを学んでいる。ことにあの呉服屋、小間物屋など小面倒な女子供を相手の番頭や小僧の
妙手腕に至っては、実に感嘆措く能わざるものがある。専門の外交官も三舎を避けねばな....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
ふるえ、妻の眼はしばしも離れずに俺の瞳を見詰めていた。 従者 奥様はバイオリンの
妙手でございました。 領主 そうだ、それが何よりも俺の心に残っている。彼女はバイ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
寸紙の中にも芸衛的詩趣が横溢している。造詣の深さと創造の力とは誠に近世に双びない
妙手であった。 椿岳は余り旅行しなかった。晩年大河内子爵のお伴をして俗に柘植黙....