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妙機
「妙機〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
妙機の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「感覚と科学」より 著者:寺田寅彦
これほど精巧な器械を捨てて顧みないのは誠にもったいないような気がする。この天成の
妙機を捨てる代わりに、これを活用してその長所を発揮するような、そういう「科学の分....
「鎖骨」より 著者:寺田寅彦
ると肺炎になる。 これらの平凡すぎるほど平凡な事実の中に、実に驚嘆すべき造化の
妙機のあることに今まで少しも心づかないでいたのが、今度の子供の災難に会って始めて....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
きまぜ返して消化液をほどよく混淆《こんこう》させるのだそうである。ここにも造化の
妙機がある。またある虫ではこれに似たもので濾過器《ろかき》の役目をすることもある....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
が、轟玄八、即時左手を放して柄尻《つかじり》で受ける。
そして!
刹那、
妙機の片手なぐり、グウンと空にうなった燐閃《りんせん》が、備えのあいた栄三郎の脇....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
そのまに、左の肩を探って、対手の拇指をギュッと握る。いわゆる技の手懸り、一瞬の
妙機である。 気当の一|喝! 対手の耳をつんざいたかと思うと、エエイッ、襷を切....
「三国志」より 著者:吉川英治
こんできたのは、実に、天が曹操に大事を成さしめ給うものだ。もし狐疑逡巡して、この
妙機をとり逃したりなどしたら、天は曹操の暗愚を見捨てるであろう」 果断即決は、....
「三国志」より 著者:吉川英治
に勝たず。大船常に小船に優らず。要は士気だ。士気をもって彼の隙を破るのは、用兵の
妙機にある。――さすがに、御身は文官の長。兵事にはお晦いな」 と、苦笑を送った....
「三国志」より 著者:吉川英治
いずれかが敵の常道を覆すのだ。ここが勝敗のわかれ目になる。すべて兵を用いるの神変
妙機は一概にはいい難い」 かれの解説は、子弟に講義しているように、懇切であった....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
て、雨気近しと見さだめてから、雨乞い祭りを触れ出すがいい。さすれば、人心をつかむ
妙機となろう。兵法とは、そういうものだ。兵法を知らぬにも程がある、とのお教えなの....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ご不安からではなかった。研ぎすました理知のもとに、今明日が、ここの運命を一転する
妙機かと、ひそかに、息をつめておられたのである。 目には見えないが、宮の兵略眼....