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「妙趣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

妙趣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
令嬢アユ」より 著者:太宰治
それは問題じゃない。他の釣師が一人もいなくて、静かな場所ならそれでいいのだ。釣の妙趣は、魚を多量に釣り上げる事にあるのでは無くて、釣糸を垂れながら静かに四季の風....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
あらゆるもの、自然のあるがままの姿を、あるがままに生かさんとするところに、茶道の妙趣があるように思います。茶道といえば千利休についてこんな話が伝わっています。 ....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
吟」というものの成効し難いゆえんはこれで理解されるように思う。 また「連句」の妙趣がわれわれの「言葉」で現わされ難いゆえんもここにある。(昭和二年五月、渋柿)....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
「汐汲み」の呼吸がわかった。同時に「潮衣――オ――」という引節に含まれた波打際の妙趣がわかったので、感激しながら帰途に就いたという。 前記の通り事の真偽は知ら....
相対性原理側面観」より 著者:寺田寅彦
でもないと思う。 四 この原理を物理学上の一原理として見た時の「妙趣」あるいは「価値」が主としてどこにあるか。それが数式にあるか、考えの運び方に....
俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
節があり、積極的には相互扶助の美徳が現われないと、一句一句の興味はあっても一巻の妙趣は失われる。この事を考慮に加えずして連俳を評し味わうことは不可能である。真正....
断片(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
一 連句で附句をする妙趣は自己を捨てて自己を活かし他を活かす事にあると思う。前句の世界へすっかり身を....
梅花の気品」より 著者:豊島与志雄
品そのものの色彩である。それに眸を凝らす時、人は自ら心すがすがしくなって、気品の妙趣を悟るであろう。 気品には一の渋味があり、而も同時に一つの新鮮味がある。気....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
自然に出る色彩の綜合的妙味であって、版画の隆盛期に於ける肉筆絵画が必ずしも同様の妙趣を持っていたのではない。試みに広重北斎あたりの肉筆の彩色画を見れば如何にその....
」より 著者:佐藤垢石
道糸に張りをくれると、がばと驚いて騒ぎはじめるものである。そこに、瀞場の友釣りの妙趣を感ずる。 掛け鈎を丁寧に研いで、新しい囮に取り替えてから、再び竿を娘に渡....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
吉においてはタヌもろ共、ああでもない、こうでもない、「首」ひねったあげく、やがて妙趣天来。念を入れたうえにも念を入れ、手配り万般、ここに相整いまして、いまやその....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
眼前に彷彿せしめて、一ト度グレーの講義を聞くものは皆語学の範囲を超えてその芸術的妙趣を感得し、露西亜文学の熱心なる信者とならずにはいられなかった。二葉亭もまたこ....
日和下駄」より 著者:永井荷風
ち》は、その翠緑《すいりょく》を反映せしむべき麓の溜池あって初めて完全なる山水の妙趣を示すのである。もし上野の山より不忍池の水を奪ってしまったなら、それはあたか....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
れて片雲なく、清朗の北天に旭日を懸け、その光気の海水に映射する光景は、言亡慮絶の妙趣を実現せり。終夜天明らかにして、一点の星光を認めざるは前夕のごとし。 二十....
はつ恋」より 著者:神西清
手でつかめ。人の手にあやつられるな。自分が自分みずからのものであること――人生の妙趣はつまりそこだよ』と、ある時父はわたしに語った。また別の時、わたしは若き民主....