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妙音
「妙音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
妙音の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
り》の読経を聴きに法輪寺《ほうりんじ》の庭へ集まったそうである。しかしそう云う微
妙音《びみょうおん》はアメリカ文明の渡来と共に、永久に穢土《えど》をあとにしてし....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
時々唸り声の間に観音経を唱えて見たり、昔のはやり歌をうたって見たりした。しかも「
妙音観世音《みょうおんかんぜおん》、梵音海潮音《ぼんおんかいちょうおん》、勝彼世....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
に見せた。口絵には紀元二百年ごろの楽聖セント、セリシアの像が出ていた。オルガンの
妙音から出た花と天使の幻影とを楽聖はじっと見ている。清三はこの人はローマの貴族に....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
える。呂昇、大隈、加賀、宝生、哥沢、追分、磯節、雑多なものが時々余等の耳に刹那の
妙音を伝える。
あたりが静なので、戸をしめきっても、四方に余音が伝わる。蓄音器....
「黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
取り出して「罌子の花」を吹奏し初めた。 通夜の人々は初め驚いたが、間もなくその
妙音に魅せられてしまった。 哲也は武丸の持つ尺八を見ると青くなって座敷を辷り出....
「「手首」の問題」より 著者:寺田寅彦
場合の言葉に翻訳すると、「研究の手首を柔らかくして、実験の弓で自然の弦線の自然の
妙音を引き出せばよい」とも言われるであろう。研究者によって先天的の手首の個性の差....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
ての三曲のごときも、その表現せんとするものがしばしば自然界の音であり、また楽器の
妙音を形容するために自然の物音がしばしば比較に用いられる。日本人は音を通じても自....
「極楽」より 著者:菊池寛
返した。知人や親類の事も幾度も話した。祇園や京極の変遷なども話した。伽陵頻迦が微
妙音に歌って居る空の下で、おかんは積る話を、心のまゝにした。宗兵衛も面白そうに聞....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
こ》していた。何をひいてるのか彼女にはわからなかった。けれど、そのいつもの小さな
妙音を耳にしたり、子供がそこにごくおとなしくすわってるのがわかったりするのが、彼....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
を溺愛し、 恋ひ焦れ、引裂き、うち※り、統合す―― 残酷な荘厳、そしてまた陶酔の
妙音。 真我の極へ、中心へ、虚空を押移りつつ、 無数の雲の鱗がひたすらに燃えてゆ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
あるまい。世の常の心では、ああはつけるものではない。わしの耳には、そのまま仏界の
妙音ともきこえたのじゃ。鐘をつくなら、あのようにつきたいものじゃのう。何も遠慮す....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
襲われるのであった。懐より横笛を取り出して、親しい「曲」を奏し始める。澄んだ笛の
妙音、風に伝わって、余韻嫋々………舞台、しばらくは横笛を奏する文麻呂。 文麻呂、....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の一角に聳え、しかしてこの湖水を擁してずらりと列べる雪峰は天然の白衣観音あるいは
妙音菩薩が無声の音楽を弄して毘婁遮那大仏に供養するかのごとく、実に壮快なる天然の....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ん。広く深く、私より気の毒な方へ。ただそれだけです。 私は合掌して口誦みます。
妙音観世音 梵音海潮音 観音の有難さ、それは潮の音のごとく大きくひたひたと押し....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ールの上、十二、三|吋の空間をあけて、かの直径七十吋余の截断刃が、むなしくその霊
妙音を放って、ただに劉喨粛々と空廻りしているのである。その旋転光。 と、第一の....