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「妙齢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

妙齢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
けられて、この辺では際立って垢抜《あかぬ》けがしていた。競馬に加わる若い者はその妙齢な娘の前で手柄を見せようと争った。他人《ひと》の妾《めかけ》に目星をつけて何....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
ずく大評判、大当たりは、滝の白糸が水芸《みずげい》なり。太夫《たゆう》滝の白糸は妙齢一八、九の別品にて、その技芸は容色と相称《あいかな》いて、市中の人気山のごと....
婦系図」より 著者:泉鏡花
いが、櫛にてらてらと艶が見えた。 背は高いが、小肥に肥った肩のやや怒ったのは、妙齢には御難だけれども、この位な年配で、服装が可いと威が備わる。それに焦茶の肩掛....
妖術」より 著者:泉鏡花
いかに、大の男が手玉に取られたのが口惜いといって、親、兄、姉をこそ問わずもあれ、妙齢の娘に向って、お商売? はちと思切った。 しかし、さもしいようではあるが、....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
所さえあるから、わざとこんな裏小路を捜るものはない。日中もほとんど人通りはない。妙齢の娘でも見えようものなら、白昼といえども、それは崩れた土塀から影を顕わしたと....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
さえほとんどない。 一処、大池があって、朱塗の船の、漣に、浮いた汀に、盛装した妙齢の派手な女が、番の鴛鴦の宿るように目に留った。 真白な顔が、揃ってこっちを....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
して、涙の目でなお笑った。 「おほほほほほ、堪忍、御免なすって、あははははは。」妙齢だ。この箸がころんでも笑うものを、と憮然としつつ、駒下駄が飛んで、はだしの清....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
向の事でも極が悪うございましょう。それも小児や爺婆ならまだしも、取って十九という妙齢の娘の事でございますから。」 と考え考え、切れ切れに台辞を運ぶ。 その内....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
貴女、その時、フトお思いつきなされまして、いやとよ、一段の事とて、のう。 御|妙齢なが見得もなし。世帯崩しに、はらはらとお急ぎなされ、それ、御家の格子をすっと....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
様には、事実、御利益になっておりますのでして。」 「いや、損をしても構いません。妙齢の娘か、年増の別嬪だと、かえってこっちから願いたいよ。」 「……運転手さん、....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
しい片頬を、水紅色の絹|半※でおさえたが、且は桔梗紫に雁金を銀で刺繍した半襟で、妙齢の髪の艶に月の影の冴えを見せ、うつむき加減の頤の雪。雪のすぐあとへは惜しいほ....
星女郎」より 著者:泉鏡花
、文ばかり通わしているのや、目顔で知らせ合っただけなのなんぞ――その容色でしかも妙齢、自分でも美しいのを信じただけ、一度|擦違ったものでも直ぐに我を恋うると極め....
」より 著者:秋田滋
な冒涜行為を目のあたりに見たのである。 一人の曲者が、前の日にそこへ埋葬された妙齢の婦人の死体を掘り出して、今しもそれを墓穴から引ッぱり出そうとしているのだっ....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
に三人の妹があった。長女はもはやかたづいてライド夫人となり、次女はサラといいて、妙齢二十一才、三女のジェンはまだ幼い子であった。ファラデーは前から手帖に色々の事....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
裡に、他国ではちょっと知りますまい。以前、あのあたりの寺子屋で、武家も、町家も、妙齢の娘たちが、綺麗な縮緬の細工ものを、神前仏前へ奉献する習慣があって、裁縫の練....