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妥当
「妥当〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
妥当の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「弓町より」より 著者:石川啄木
つかえ》ないが、その当人が自分は詩人であると思ってはいけない、いけないといっては
妥当《だとう》を欠くかもしれないが、そう思うことによってその人の書く詩は堕落《だ....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
外《けたはず》れの点、常軌を逸している点などで「発狂事件」と命名するより外に他に
妥当なる名前のつけ方がないことが、誰にも首肯されるに至った。さてこそまことに天下....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ある。 太陽の最外層の温度が零度あるいはそれ以下に降るであろうという仮定もまた
妥当ではないと思われる。そこでは強い輻射を受けているからそれほどまで冷却するとい....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
は大真面目になって、 「だけど運命の趨勢はそうはさせませんね。僕は世の中は大たい
妥当に出来上っていると思うんです」 「では
妥当であなたと私とはこんなに仲好しにな....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
の国がある――とエスキモー土人が盲信を抱くようになる。 と、これがマアいちばん
妥当なところで……たぶん皆さんもそうお考えであろうと思われる。また、「|冥路の国....
「カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
ていたとか言う様な屍体では、そう言う事も信じられる。で、この考え方からして、最も
妥当な順序を立てて見ると、先ず最初被害者は、鋭利な刃物で心臓を一突きに刺されて絶....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
思う。僕がこう記すと、中には僕の気の弱さを嗤う人があるかもしれない。だが、それは
妥当でない。あの凄絶無比の光景を本当に見た者でなければ、その正しい判定は出来ない....
「桃のある風景」より 著者:岡本かの子
たろうと言うなら、或はそうかも知れないと答えよう。丁度、年頃もその説を当嵌めるに
妥当である。しかし、私はそう答えながら、ものごとを片付けるなら一番あとにして下さ....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
題である。して見れば菊池寛の作品を論ずる際、これらの尺度にのみ拠ろうとするのは、
妥当を欠く非難を免れまい。では菊池寛の作品には、これらの割引を施した後にも、何か....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
る人が――末松謙澄子だとか伝えられている――その字句の修正を行なった。その修正が
妥当を欠いているといって、『東京日日新聞』の紙上で一々それを批難したのである。筆....
「大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
して居る。随分突飛なことを言って居るようでありながら、それが常識を逸して居らず、
妥当性を失って居ないのは、彼の特異な体質と感性とに基づいての観察を飾りなしに極め....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
上において、人格者をもって任ぜられておる閣僚の一人から、待合政治の合理化、さらに
妥当性の答弁を聞き、何ら反省の態度を見なかったことは、はなはだ遺憾といわなければ....
「文章を作る人々の根本用意」より 著者:小川未明
て特殊的なる文学方面は、それが一層甚だしいといわねばならない。 たゞ然し、最も
妥当なる順序は、われ/\の現在生息しつゝある現代の文学書(論集、小説、詩歌のいず....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
のであります。特に仏教における先覚者の指導啓発ぶりは、全く仏教をわが民族性に適切
妥当ならしめ、その滋養分吸収を容易ならしめたるのみならず、仏教を以て、民族の偉大....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
のだった。しかし、如何なる愛情といえども、その様な彼女を傷つける様な表現の仕方を
妥当とはしないから、その時ぼくが出来得ることは、その様な行為の醜さや重大性から眼....