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「妬む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

妬むの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
廓の女の癖であると、彼女は自分で自分を戒めて、ひとを羨むのは恥かしいとも思った。妬むのはおとなげないとも思い直した。そうは思いながらも、二人の低い笑い声などが耳....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に感応させるわけには行かない。それにはかならず、強い感情を伴わなければならない。妬む、憎む、怨む、羨む、呪う、慕う、哀む、喜ぶ、恐れる。そうした喜怒哀楽の強い感....
花吹雪」より 著者:太宰治
と踏込んで、さらに大いに後悔する。後悔の味も、やめられぬものと見えたり。 六、妬むにはあらねど、いかなるわけか、成功者の悪口を言う傾向あり。 七、「サヨナラ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
既に東洋にあったは、『沙石集』を読んで知れる。その七巻に、遠州池田の庄官の妻甚だ妬む者、磨粉《みがきこ》に塩を合わせ夫に塗り、夫が娼に通うを験証せる由を述べ、次....
女大学評論」より 著者:福沢諭吉
》ぎ順《したがわ》ざると、怒《いかり》恨《うら》むと、人を謗《そし》ると、ものを妬むと、智恵浅きと也。此五の疾《やまい》は十人に七、八は必ず有り。是婦人の男に及....
白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
口から伊佐子さんのことを言い出されても、私はさのみ怪しみもしませんでした。勿論、妬むなどという気はちっとも起りませんでした。 「伊佐子さんは酒を飲むんですか。」....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
の身代りなのを知ると同時に、変じて憎悪となった。また一方、ジーグフリードの名声を妬むものに、ハーゲンがあって、その二人は、いつか知らず知らぬ間のうち接近してしま....
雪女」より 著者:岡本綺堂
妾のうちに姜氏といううるわしい女があって、特に太祖の恩寵を蒙っていたので、それを妬むものが彼女に不貞のおこないがあると言い触らした。その相手は太祖の近臣で楊とい....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
やら妬ましげに見えましたれば……。」と、采女は少しく危ぶむように言った。 「何を妬む。権右衛門が何を妬み、誰を妬むのじゃ。」と、小坂部はあざ笑った。「去年の河原....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
持派であり、現実生活の礼讃者である場合が多く、現状破壊の行動者でなく、他人を羨み妬む不平組であることは殆どない。そうした人々が隠遁を決行するまでには、随分心の準....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
はり運がよいとか、悪いとか、出世するとか、せぬとか云うことがあり、またそれを羨み妬むなど云うことがあるのかと、大いに感じさせられたというのである。この話は、当時....