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「妹背〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

妹背の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:芥川竜之介
この神は父の神が、まだ聟《むこ》の神も探されぬ内に、若い都の商人《あきゅうど》と妹背《いもせ》の契《ちぎり》を結んだ上、さっさと奥へ落ちて来られた。こうなっては....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
の柝の音の一つ一つを聴くたびに、胸を跳らせて正面をみつめている。 幕があく。「妹背山婦女庭訓」吉野川の場である。岩にせかれて咽び落ちる山川を境いにして、上の方....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
ばかり震えている。今|一言《ひとこと》……今一言の言葉の関を、踰《こ》えれば先は妹背山《いもせやま》、蘆垣《あしがき》の間近き人を恋い初《そ》めてより、昼は終日....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
太夫本も読んで、面白くなって、それを写したのもある。忠臣蔵四段目、二度目の清書、妹背山三段目、杉酒屋、安達原三段目などは、私は写しもし、またいくらか暗記もした。....
源氏物語」より 著者:紫式部
挨拶をされ、頭の中将はきまりが悪くなって、この上のことは言わないことにした。 「妹背山深き道をば尋ねずてをだえの橋にふみまどひける そうでしたよ」 と真底か....
源氏物語」より 著者:紫式部
はげしい山荘である、目を閉じてもすぐにさめる。夜の風の声も強い。峰を隔てた山鳥の妹背のような気がして苦しかった。いつものように夜が白み始めると御寺の鐘が山から聞....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
勢が出てくれた。 自作の新舞踊劇「空華」は奈良朝時代の衣装背景で、坪内先生の「妹背山」の試演がその式で紅葉館で催されたことはあるが、そうした服装での舞踊ははじ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
一筋のえにしの糸、と云いならわしました。そしてそれは紅色と思っていたのよ。だから妹背山のお三輪は采女《うねめ》の背に赤い糸を縫いとめて、それを辿って鹿の子の髪か....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
の平土間に私は伯母と姉と三人並んで鴈治郎の芝居を見ていた。芸題は黒田騒動と紙治と妹背山であった。私は座るとこから鶴子たちの席を探していた。二幕目ごろに鶴子たちは....
日記」より 著者:宮本百合子
い。少し気になる。午後から、歌舞伎座へ行って見る。福田会とかの慈善興行だそうだ。妹背山の第一が終りかけて居た。二幕目から見る。生れて始めて、ここへ来、歌右衛門を....
役者の一生」より 著者:折口信夫
、明治十七年「手習鑑」の道明寺の場の苅屋姫で評判をとったし、明治二十四年にした「妹背山」のおみわの役などは、饗庭篁村が「源之助のおみわ本役とて座の光をまし舞台も....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
かった。関根|正直氏の『小説史稿』や、坪内逍遥氏の『小説神髄』や『書生気質』や『妹背鏡』や、森鴎外氏の『埋木』やそんなものを古書肆から猟って来てそれらを耽読した....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
郎、嵐和三郎、中村勘五郎、中村鶴蔵、岩井松之助などという顔触れで、一番目狂言は「妹背山」と「膝栗毛」のテレコ。二番目は松之助の出し物として「てれめん」を据えてい....
炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
、何の何某がお伴して僻遠の地に隠し奉るうちに、渡世に困って皮剥ぎを業とし、ついに妹背の契りを結んで何々部落の祖先になったのだとか、何某の皇子が悪疾の為に都を去っ....
明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
にて「新皿屋敷」を初演。菊五郎の魚屋宗五郎の酒乱、大好評。 ○十月、新富座にて「妹背山」を上演。団十郎のお三輪が評判となる。 ○四月、新富座の一番目に「二代源氏....