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妻子
「妻子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
妻子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
《はせまさお》は酒の代りに電気ブランを飲んでいる。大友雄吉《おおともゆうきち》も
妻子《さいし》と一しょに三畳の二階を借りている。松本法城《まつもとほうじょう》も....
「河童」より 著者:芥川竜之介
っぱ》はだれも皆言い合わせたように雌《めす》の河童に追いかけられました。もちろん
妻子を持っているバッグでもやはり追いかけられたのです。のみならず二三度はつかまっ....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
んぬん》は空文《くうぶん》に了《おわ》るほかはなかったのでしょう、何しろ半之丞は
妻子は勿論、親戚さえ一人《ひとり》もなかったのですから。
当時の三百円は大金《....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
いか、どちらが好いかはおれにもわからぬ。」
「成経《なりつね》様御一人だけは、御
妻子もあったそうですから、御|紛《まぎ》れになる事もありましたろうに。」
「とこ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
全く彼がこう云う論理を、刹那《せつな》の間に認めたからである。
そこで、彼は、
妻子家来を引き具して、白昼、修理の屋敷を立ち退《の》いた。作法《さほう》通り、立....
「或る女」より 著者:有島武郎
てに一々不満を感ずるばかりだった。そして葉子が久しぶりで汽車の中で出あった今は、
妻子を里に返してしまって、ある由緒《ゆいしょ》ある堂上華族《どうじょうかぞく》の....
「或る女」より 著者:有島武郎
の中にすっかりとけ込んだ自分を見いだすのみだった。定子までも犠牲にして倉地をその
妻子から切り放そうなどいうたくらみはあまりにばからしい取り越し苦労であるのを思わ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
をして雪が少し硬くなるまでぼんやりと過していた。
根雪《ねゆき》になると彼れは
妻子を残して木樵《きこり》に出かけた。マッカリヌプリの麓《ふもと》の払下《はらい....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
且つ買収が行なわれ当時の戦争は、いわゆる謀略中心となり、必要の前には父母、兄弟、
妻子までも利益のために犠牲としたのである。戦国時代の日本武将の謀略は、中国人も西....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
差支のないものにはできる丈話が纏まるように骨を折ってやりますが、ひょっとすると、
妻子のある男と一|緒になりたいとか、又人妻と添はしてくれとか、随分道ならぬ、無理....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
辿り、一歩一歩、ぬきさしならぬ泥濘の深みにはまり込んで行く。その間彼のあわれなる
妻子は、飢えたる腹をかかへて、言い知れぬ悲嘆の泪に暮れるばかり、守護の天使とても....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
た。僕は或は汽車の中から山を焼いている火を見たり、或は又自動車の中から(その時は
妻子とも一しょだった)常磐橋界隈の火事を見たりしていた。それは彼の家の焼けない前....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
大声に泣き続けても、足りない気もちに迫られながら、………… 良平は二十六の年、
妻子と一しょに東京へ出て来た。今では或雑誌社の二階に、校正の朱筆を握っている。が....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
い。挙げたのは二十幾年かの間の折にふれた作なのである。第一、一家を構えていない。
妻子も何も持たぬ。仕事は子がいから仕込まれた、――これは名だたる師匠の細工場に籠....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
なお且つ買収行なわれ、当時の戦争はいわゆる謀略が中心となり、必要の前には父母兄弟
妻子までも利益の犠牲としたのであった。戦国時代の日本武将の謀略は中国人も西洋人も....