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「妻恋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

妻恋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
登城のお大名がたにでも何かまちがいがあったのかい」 「ところが大違い。本郷のね、妻恋坂で人が殺されたっていうんですよ」 「また人殺しか。あんまりぞっとしねえな」....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て」 七兵衛とお松は煙《けむ》に捲かれて、あとをついて行くと、湯島の高台に近い妻恋坂《つまこいざか》の西に外《はず》れた裏のところ、三間間口《さんげんまぐち》....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
るのでありました。 十二 「どうも永らく御無沙汰を致しました」妻恋坂のお絹の宅へやって来たのは珍らしくも裏宿七兵衛。 「これは珍らしい七兵衛さ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
らば、張合いがあるべきところだけれども、これを伯母のお滝に返してやろうか、または妻恋坂のお師匠様に預けようか――危ない危ない、ここに置くよりも危ない。そんなら、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ます。紅葉ふみわけ啼《な》く鹿と申しましても、秋は子を生む時ではございませんで、妻恋う鹿と申しまして、つまり夫婦和合の時でございますな」 茶店の主人は鹿の話か....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
……震災|前には、十六七で、渠は博徒の小僧であった。 ――家、いやその長屋は、妻恋坂下――明神の崖うらの穴路地で、二階に一室の古屋だったが、物干ばかりが新しく....
松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
頂戴したら早く引きますと云わぬばかりに故意と鈍く引出し、天神の中坂下を突当って、妻恋坂を曲って万世橋から美土代町へ掛る道へ先廻りをして、藤川庄三郎は、妻恋坂下に....
死体の匂い」より 著者:田中貢太郎
あった。 「安政見聞誌」三冊を書いた仮名垣|魯文のことも浮んで来た。魯文は湯島の妻恋下に住んでいた。魯文の住んでいた家は、二人の書肆が醵金して買ってくれたもので....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
いう茶漬屋がありますが、此処も客が一杯で彼れから右へ切れて、川崎へ掛る石橋の所、妻恋村へ出ようとする角に葭簀張が有って、其の頃は流行ました麦藁細工で角兵衛獅子を....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
なくこの渚の埼に鶴鳴くべしや」(巻一・七一)、「出でて行かむ時しはあらむを故らに妻恋しつつ立ちて行くべしや」(巻四・五八五)、「海つ路の和ぎなむ時も渡らなむかく....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
渡る海士も、かくやと思ひ遣る。さま/″\思ひつづけて、観念の牀の上に夢を結べば、妻恋ふ鹿の声に目をさまし、……(身延山御書)」 こうしたやさしき文藻は粗剛な荒....
正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
く、少時の後には縛に就いた。 この夜しかも同じ時刻に、旗本近藤|石見守は、本郷妻恋坂の坂の上に軍学の道場を構えている柴田三郎兵衛の宅へ押し寄せた。 彼等の巨....
日和下駄」より 著者:永井荷風
である。 私はまた坂の中《うち》で神田明神《かんだみょうじん》の裏手なる本郷の妻恋坂《つまごいざか》、湯島天神裏花園町《ゆしまてんじんうらはなぞのちょう》の坂....
奥羽地方のシシ踊りと鹿供養」より 著者:喜田貞吉
、両手で撥を持って緩慢な調子でそれを叩く、その踊りも至って緩やかなもので、大体に妻恋う雄鹿が雌鹿を呼ぼうという様な、優美な感じを与えるものだった。勿論そのほかに....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
ば」などと読める印刷が残っていた。手にのせて読んでいると、ふいに風が襲って人麿の妻恋う心をこなごなに吹き散らしてしまった。 勲章 灰の中から勲章や徽章が出てき....