妾奉公[語句情報] »
妾奉公
「妾奉公〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
妾奉公の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
筆と云う者が桂庵の婆《ばゞア》の巾着を盗《と》った訳では有りません、実はその婆が
妾奉公に世話をしてやると云ったのを、お筆の親が侍の事で物堅いから、怪《け》しから....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、途中で捨てたのか捨てられたのか、ともかくも自分ひとりで江戸へ出て来て、それから
妾奉公や、いろいろのことをやっていたんです。何でも雪のふる日に、本所の番場辺へ行....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は眼をまるくして驚いた。いくら正直でも慾のない人間はすくない。この頃の相場では、
妾奉公をしても月一両の給金はむずかしいのに、別になにをするでも無しに、美しい着物....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
分には曾て話したことがある。それは紋作が末の叔母で、十六の年から或る旗本の大家へ
妾奉公に上がっていたが、今から七年ほど前にその主人が死んだので、根岸の下屋敷の方....
「元禄十三年」より 著者:林不忘
めて、狡猾そうに辰馬を見た。「御冗談で。」 「背に腹は換えられぬ。本人も承知だ。
妾奉公でも何でも、といっておる。」 二人は、どっちからともなく、降雪《ゆき》の....
「紫の壜」より 著者:豊島与志雄
家へ、女中として住みこんだ。そこの婦人や子供たちが田舎へ疎開したあとでは、一種の
妾奉公をしてるとの影口もあった。空襲が激しくなって、その家は焼けた。老人が焼死し....
「新女大学」より 著者:福沢諭吉
を重んず可し。滔々《とうとう》たる古今の濁水《じょくすい》社会には、芸妓もあれば
妾奉公する者もあり、又は妾より成揚《なりあが》り芸妓より出世して立派に一家の夫人....
「雁」より 著者:森鴎外
ましさの性質がまるで変って来る。婆あさんの話に聞けば、親子共物堅い人間で、最初は
妾奉公は厭だと云って、二人一しょになってことわったのを、婆あさんが或る日娘を外へ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
深雪は、頭から、髪の中まで、口惜しさでいっぱいだった。父に別れるとすぐ、浅ましい
妾奉公などを、大工上りの小藤次から、申し込んで来たのに対して、口惜しかった。
(....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
、安治川のお嬢さんのように女学校でも卒業して、相当の教育を受けておったら、こんな
妾奉公なんかしないで、中央公会堂で演説の一つもしまんな」 お花が美しい口から、....
「治郎吉格子」より 著者:吉川英治
伺っても同じですから」 「嫌かい、やっぱり」 「いくら先様が、立派な武家様でも、
妾奉公などということは、父が承知するはずもございませんし、私も、死んでも……」 ....