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「妾腹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

妾腹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
一方《ひとかた》ならず野村の父の世話になっていると云う事、その父の歿後どこかから妾腹《しょうふく》の子と名乗る女が出て来て、一時は面倒な訴訟《そしょう》沙汰にさ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、お春は十五……ちょっとお断わり申して置きますが、このお春というお嬢さまはお早の妾腹ではなく、お蘭という奥さまの子で、奥さまはそれほどの容貌《きりょう》よしでも....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
確かめられた。しかし藩中に党派の軋轢のあったことは事実で、嫡子の死んだのを幸いに妾腹の長男を押し立てようと企てたものと、正腹の次男を据えようと主張するものと、二....
追憶」より 著者:芥川竜之介
うか? 杉浦は僕のクラスの中でも最も白※の少年だった。のみならずある名高い富豪の妾腹にできた少年だった。 二七 画 僕は幼稚園にはいっていたころには....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
玄は厳然と命を下した。 「心得ましてござります」 十四歳の少年武士、高坂弾正の妾腹の息、高坂甚太郎はお受けをした。 「これよりすぐに打ち立つよう」 「かしこま....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
むろん子供のない重明には、叔父の重武が唯一人の肉親だった。重武は重明の祖父重和の妾腹の子で、父の重行には異母弟に当っていた。重行とは年が十ばかり違って、従って重....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
はござらんかと拙者考えます、お屋敷の内に斯様な悪人があって御舎弟紋之丞様を亡い、妾腹の菊之助様を世に出そうという企みと知っては棄置かれん事、是は拙者の考えで容易....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
駿河大納言の、正統の血を引いている人物であり、そうして隅田のご前なる人は、同じく妾腹の血を引いた人で、幕府にとっては二人ながら、恐れられていた人達であり、そうし....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
どころじゃありません。その糸から起った事です。千五百石の女※ですが、初路さん、お妾腹だったんですって。それでも一粒種、いい月日の下に、生れなすったんですけれど、....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
真面目で一生懸命に来るので、変な事があるもので」 幸「旧お出入りをしたお屋敷の御妾腹と云うが、けれどもお眼に懸った事もねえが、何んだかお可愛そうな様な筋合がある....
梟雄」より 著者:坂口安吾
える大悪党のヒキデモノであった。 年内に濃姫は信長のオヨメになり、織田家からは妾腹の娘が六尺五寸殿にオヨメ入りした。信秀の本妻には年頃の娘がなかったせいだが、....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
遠い将軍家のご連枝の一人、三十八年間も執政をなされた、その右近将監武元卿の公達、妾腹のご次男でおわすところから、本家へはいらず無位無官をもって任じ、遊侠の徒と交....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ヒョロリヒョロリと歩き出した。「承れば左内様には、ご老中筆頭の左近|将監様の、ご妾腹ながらもお姫様の、満知姫様とご婚約とのお事、結構なことでござりますなあ」右の....
増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
火事で烏有に帰した。 雨に濡れた大名 家光は正腹であり、駿州大納言は妾腹であった。共に、同年同月同日の出生であったから、何れを正嗣にすべきやについて....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
の亡くなった時、お通夜に行ったものから聞いたが、姑だの、母を異にした――、つまり妾腹だな、そういう小姑が多数いる間に挟まって小さくなり、平民の娘、平民の娘と蔑視....