姉さん[語句情報] »
姉さん
「姉さん〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
姉さんの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
だった。あるいは辰子ほど空疎な理想に捉《とら》われていないと言う優越だった。
「
姉さん。どうか今夜だけはほんとうの
姉さんになって下さい。聡明《そうめい》ないつも....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
りすると、あいつの赤帽を怖がるのも、大分《だいぶ》下火《したび》になって来た。「
姉さん。何とか云う鏡花《きょうか》の小説に、猫のような顔をした赤帽が出るのがあっ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
が、やがて額で彼を見ながら、
「お絹《きぬ》ちゃんが今来るとさ。」と云った。
「
姉さんはまだ病気じゃないの?」
「もう今日は好いんだとさ。何、またいつもの鼻っ風....
「路上」より 著者:芥川竜之介
りも大きな声で笑い出した。
「まあ、生意気《なまいき》ったらないのね。――だから
姉さんがいつでも云うんだわ、民雄さんは莫迦《ばか》だって。」
部屋の中の火気に....
「白」より 著者:芥川竜之介
い出すのです。
「どこの犬でしょう? 春夫《はるお》さん。」
「どこの犬だろう?
姉さん。」
どこの犬? 今度は白の方が呆気《あっけ》にとられました。(白にはお....
「星座」より 著者:有島武郎
思った。
* * *
紺の上っぱりを着て、古ぼけた手拭で
姉さんかぶりをした母が、後ろ向きに店の隅に立って、素麺《そうめん》箱の中をせせり....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
う、こんな実のある、気前の可い……」 「値切らない、」 「ほんによ、所帯持の可い
姉さんを。分らない旦じゃねえか。」 「可いよ。私が承知しているんだから、」 と....
「海異記」より 著者:泉鏡花
上り小法師のころりと坐った、縁台に、はりもの板を斜めにして、添乳の衣紋も繕わず、
姉さんかぶりを軽くして、襷がけの二の腕あたり、日ざしに惜気なけれども、都育ちの白....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
あがりますか。」 「まず酒から飲みます。」 「あの、めしあがりますものは?」 「
姉さん、ここは約束通り、焼蛤が名物だの。」 七 「そのな、焼蛤は、....
「女客」より 著者:泉鏡花
ょう、あの年は、城の濠で、大層|投身者がありました。」 同一年の、あいやけは、
姉さんのような頷き方。 「ああ。」 三 「確か六七人もあったでしょ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
たなりで天幕の端に真直に立った看板だ。電信局としてある…… 茶屋小屋、出茶屋の
姉さんじゃあねえ。風俗はこの目で確に睨んだが……おやおや、お役人の奥様かい。……....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
富坂辺に家居した、礫川小学校の訓導で、三浜|渚女史である。年紀はお京より三つ四つ
姉さんだし、勤務が勤務だし、世馴れて身の動作も柔かく、内輪の裡にもおのずから世の....
「橋」より 著者:池谷信三郎
板を利用して女優が自分の名前を宣伝していた。妹が見合をするのに、もうお嫁に行った
姉さんの方が、よけい胸を躍らせていた。主義者がパラソルの色合いの錯覚を利用して、....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
。 B 歌も可いね。こないだ友人とこへ行ったら、やっぱり歌を作るとか読むとかいう
姉さんがいてね。君の事を話してやったら、「あの歌人はあなたのお友達なんですか」っ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
月のあかるい晩などには、夕食がすむと、彼はよく私に向ってこう云いました。 「従
姉さん、夢をみに行きましょうよ――」 私たちは庭へ出ました。林のなかの空地の前....