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始
「始〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
始の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
21
この城の門の上。そこには横にいつの間《ま》にかこう云う文句が浮かび
始める。――
「この門に入るものは英雄となるべし。」
22....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
》を出した。
日ならず二人は綱利の前で、晴れの仕合《しあい》をする事になった。
始《はじめ》は甚太夫が兵衛の小手《こて》を打った。二度目は兵衛が甚太夫の面《めん....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
した。 丁度その途端です。誰か外へ来たと見えて、戸を叩く音が、突然荒々しく聞え
始めました。 二 その日のかれこれ同じ時刻に、この家の外を通りかかっ....
「狂女」より 著者:秋田滋
永い年月の間、彼女はこうして一間にとじ籠ったまま、じッと動かなかった。 戦争が
始まった。十二月のこえを聞くと、この町にも普魯西の兵隊が攻めて来た。 僕はそれ....
「墓」より 著者:秋田滋
罵の口笛が起った。 けれども、彼は、動ずる色もなく、心もち含み声で語りだした。
始めのうちはその声はやや低かったが、喋ってゆくにつれて、それもだんだんしッかりし....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
はワナワナ顫えた、眼はくもってしまった。だが私は彼がその手紙の中で語っている一部
始終を読み返した。私は歔欷いている自分の哀れな心の中に痛い傷痕をかんじて、我知ら....
「初雪」より 著者:秋田滋
いなかった。 「いいえ、ほんとうです。これじゃ、あたし凍っちまいますわ。あなたは
始終出あるいてらっしゃるから、お解りにならないでしょうけど、このままじゃ、あたし....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
して皆な暑さを忘るる物なるに、まして川風の肌に心地よき、汗に濡れたる単衣をここに
始めて乾かしたり。紅蓮の魚の仏手に掏い出されて無熱池に放されたるように我身ながら....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
というので、ごくわずかしかもらわない小遣銭で、買えるような簡単な器械で、実験をも
始めた。 ファラデーはある日|賑やかなフリート町を歩いておったが、ふとある家の....
「寡婦」より 著者:秋田滋
私が悪かったのです、ほんとうに私が悪かったのです。いまだに私はそれについては
始終後悔の涙にくれるのです。私は生涯その罪の贖いをして来ました。こうして老嬢をと....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ろしいブロム・ボーンズもこの英傑ではなかったのだ。イカバッド・クレーンが進軍を開
始した瞬間から、ブロムの勢力はあきらかに衰退し、もはや日曜日の夜に彼の馬が例の柵....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
は父親の姓も、生れ故郷の村の名も、何もかも忘れてしまっていた。けれども、幼い日に
始終口にしていた父母の呼び名だけは忘れなかったのである。 彼は崩れるようにそこ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
し、私は落著いている。 八月三十日―― 子供の死体が発見された。犯人の捜索が
始った。ああ。 九月一日―― 浮浪人が二人あげられた。が、証拠があがらなかっ....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
かにと云うのかどうかしらないが威風堂々とゆられつつ、謡いつつの奇妙な新聞社通いが
始った様であった。 農民時代から文字通り理想的な晴耕雨読か、それとも晴読雨書な....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
で、朝太郎とつけましたが、その朝太郎も、もう四歳になりました。顔立こそ美しいが、
始終田畑や山へつれて行くので、色が真黒になって、百姓の子供として恥かしくないよう....