始まらない[語句情報] » 始まらない

「始まらない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

始まらないの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
情が事情だったとはいえ、あなたはなぜいやならいやと……そんな過去をいったところが始まらないからやめましょう。……葉子さん、あなたはほんとうに自分を考えてみて、ど....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
飛んだことになったと、彼も同じく途方に暮れてしまった。しかし今さら妹を叱ったとて始まらない。これから主人のところへ妹を連れて行って、よくその事情を話して謝まるよ....
無名作家の日記」より 著者:菊池寛
したように、多大な失望を感じた。僕は遠慮なくいいたい。世間並のお世辞をいったって始まらないから。僕は第一、あの作の主題《テーマ》に失望した。あれは全然借りものじ....
党生活者」より 著者:小林多喜二
だけ又我々の生活もお蔭《かげ》を蒙《こうむ》るのだから、一概に戦争に反対したって始まらない、その限りで利用しなければならない、そういうのが彼等の意見だった。こゝ....
旧主人」より 著者:島崎藤村
うのも……その乃公の心持は……アハハハハハハハ。こんなことをお前に話したところで始まらないなア。あれの御父《おとっ》さんも御出なすったし、幸い一緒に連れて帰って....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
書を著したときは、わずかに三一歳の若者であって、哲学者としての光輝ある生活はまだ始まらないころであった。この書において彼はニュートンの研究の結果を応用して上記の....
超人間X号」より 著者:海野十三
第二次の攻撃は、どうにか撃退したものの、いつあらたな武器を持って、第三次の攻撃が始まらないともかぎらないのだ。 「よし、全員待避《ぜんいんたいひ》!」 博士は....
巴里のむす子へ」より 著者:岡本かの子
いる。都合のいいこともあれば都合の悪いこともある。しかし今更このことを喜憂しても始まらない。本能的なものが運命をそう招いたと思うより仕方がない。だが、すでにこの....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
狙って来たんだが」鼠小僧の外伝が――旅僧の姿をした男が云った。「ねっからこれでは始まらない」 「諦めるより仕方がないよ」こう云ったのは無頼漢風の、稲葉小僧新助で....
思い」より 著者:伊丹万作
かない話だが、これも結局はこちら側の不行きとどきで、いまさらあわててみたところで始まらない。 「好むと好まざるとにかかわらず」という言葉があるが、今度の改革は実....
おせん」より 著者:邦枝完二
ら、いま直ぐにも描ける器用な腕が却って邪間になって、着物なんぞ着た女を描いても、始まらないとの心からであろう。自然の風景を写すほかは、画帳は悉く、裸婦の像に満た....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
れたようです。 翌四十五年の一月五日の新年宴会に賜餐がありました。その宴のまだ始まらない内に岩佐氏が卒倒せられたので、お兄様が近寄られると、岡玄卿氏が人工呼吸....
」より 著者:岡本かの子
つか加奈子を姉のように慕い馴れた。気の違って居る者に人生の順序や常道を言った処で始まらない。加奈子は二年程前から子の無い善良な夫との二人暮しへ、女学校時代からの....
支那の思出」より 著者:国枝史郎
私が支那へ行ったのは満洲事変の始まった年の、まだ始まらない頃であった。 上海、南京、蘇州、杭州、青島、旅順、大連、奉天と見て廻....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
ずとも、俺の家を継げばいいじゃないか、爵位なんかに縛られて狭い日本で暮らしたって始まらない。金さえあればどこへ行ったって面白可笑しく自由な生活が出来ると申します....