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始り
「始り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
始りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
許《くにもと》の兄が出て参りましたから。」
「学校は? 御休みですか。」
「まだ
始りませんの。来月の五日からですって。」
俊助は次第に二人の間の他人行儀《たに....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
が、常に口にするよう、お夏の癇癪を引受けて、町内の人々と言い争い、すわや、掴合の
始りそうになった時、あたかも可し、婆を捕えて、かの嬰児を抱いた女房を従えて、嘉吉....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
いたれば、何をか思うと、その心はかり兼ねて猶予いぬ。 「坊ちゃん、お入んなさい、
始りましたよ。」 わが猶予いたるを見て、木戸番は声を懸けぬ。日ごとに行きたれば....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
中で、雪の降る時|白鷺が一羽、疵所を浸しておりましたのを、狩人の見附けましたのが
始りで、ついこの八九年前から開けました。一体、この泊のある財産家の持地でござりま....
「怪塔王」より 著者:海野十三
、一彦の腕をしっかとおさえていました。 しかし、まだこの浜べのさわぎは、ほんの
始りだったのです。おひるごろになると、どこから来たのか、駆逐艦だの、変な形をした....
「火星兵団」より 著者:海野十三
かけて、蟻田博士がなにをしているか、様子をみてきてくれ」
「ははあ、いよいよまた
始りますね」
「なにが、始るって」
「いや、変な人相手の、新こんにゃく問答が始る....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
私がそれを発見したのは、今戸の瑞光寺に埋葬してあった笛吹川の骨を掘り出したことに
始ります。見れば壺の中に収められた骨は灰のように細いので、これは変だなと思ったの....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
ゅうございます。 時計が十一時を打ちますと、いよいよ恋の遊戯、婚約、運だめしが
始ります。テーブルにはあらかじめ手紙を書く設備がしてあって、ボーイはいつの間にか....
「食魔」より 著者:岡本かの子
碁を打ちに出るときは数日も家に帰らないが、それよりも春秋の頃おい小学校の運動会が
始り出すと、彼はほとんど毎日家に居なかった。京都の市中や近郊で催されるそれを漁り....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ダヤ人ではないか。訊問に答うるところ、いっさいの嫌疑を払いのけているし、態度が終
始りっぱであることだけで、この医師に対する今度の打撃が、まったくエセックスの無分....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
の大軍、はや伏見まで着すと聞えた。 五月五日、この日、道明寺玉手表には、既に戦
始り、幸村の陣取った太子へも、その鬨の声、筒音など響かせた。 朝、幸村の物見の....
「天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
した。 「ワッハッハッ」 と老人は笑う。見物は安心して寄って来る。次なる芸当が
始りました。 「エイ」 と鋭い気合と共に老人は古縄を復扱きましたが夫れを右の掌....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
語風に言った名であって、ここではルイ十六世をさす。一七七五年にアメリカ独立戦争が
始り、一七七八年にルイ十六世はアメリカ合衆国を承認し、その支援に軍隊と艦隊とを送....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
が好い息子さんだと思い初め、ぼんやりとして後姿を見送って居りました。これが因果の
始りでございます。無闇に男振や顔形を見て人に惚れべきものでは有りません。姿形じゃ....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
います、此の不埓者め」 相「なんだ、人違いだなぞと嘘をついて、嘘をつく者は盗賊の
始りナニ疾うに盗賊にもう成っているのだから仕方がない、直ぐに縄を掛けてお引きなさ....