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「始業〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

始業の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青春の逆説」より 著者:織田作之助
な顔でごろりと横になった。 三 豹一は早生れだから、七つで尋常一年生になった。始業式の日にもう泣いて帰ったから、お君は日頃の豹一のはにかみ屋を思い出し、この先....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
―「Yのフォード」も何時迄も「フォード」で居られなくなるんでないか、と思うがな。始業のボウで、二人が跳ね上った。笠原はズボンをバタ/\と払って、事務所の方へ走っ....
正義と微笑」より 著者:太宰治
ない。じれったい。 四月十日。月曜日。 晴れ。学校から正式の合格通知が来る。始業式は二十日である。それまでに洋服が間に合えばいいが。きょう洋服屋さんが、寸法....
田舎教師」より 著者:田山花袋
二日。晴。 馴れし木犀の香やうやく衰へ、裏の栗林に百舌鳥なきしきる。今日より九時始業、米ずしより夜油を買ふ。 三日。 モロコシ畑の夕日に群れて飛ぶあきつ赤し、熊....
惜別」より 著者:太宰治
がら立ち上り、「一口で言えるやないか? 支那の人を、ばかにせぬ事。それだけや。」始業のベルが、さっきから鳴っているのである。 「教育|勅語に、何と仰せられていま....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
明くれば九月一日だった。 「いよいよきょうから二学期だわ。――あたしきょう、始業式のかえりに、日比谷の電気局によって、定期券を買ってくるわ」 ミチミのあた....
次郎物語」より 著者:下村湖人
の枝から果物をもいだ瞬間、足をふみはずして落っこちたような気がした。 まもなく始業の鐘が鳴った。次郎は教室に這入っても春子のことばかり考え続けた。竜一の言った....
新学期行進曲」より 著者:海野十三
って、床をドタ靴でふみならしながら、愛国行進曲を口笛で吹いているのが聞える。 △始業のサイレンの音――更に遠くに聞える。 △扉をドーンとついて、また新たに教室へ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
郎をさがしに校庭に出てみた。しかし次郎の姿はどこにも見えなかった。時計を見ると、始業までには、あと三四分しかない。 先生は念のために校門を出てみた。すると、二....
次郎物語」より 著者:下村湖人
を追った。 間もなく、新賀は次郎を見つけたらしく、二人は、例の銃器庫のかげで、始業の鐘が鳴るまで何か話しあっていた。 * 翌日の第一学期終業式の校....
次郎物語」より 著者:下村湖人
「うむ。」 と、大きくうなずいて、血書を自分のかくしにしまいこんだ。間もなく始業の鐘が鳴って二人は教室に入ったが、次郎は新賀に血書をあずけて何かほっとした気....
地上」より 著者:島田清次郎
平一郎が自分と和歌子との恋は実に深いものであらねばならないと考えしめたのは、朝、始業の鐘の鳴らないうちは、小学六年生である彼は同級の少年達と控室で組み打ったり相....
」より 著者:佐藤垢石
そんなわけであるから、少しは上達するのが当然であろう。 八月末になって、学校の始業に遅れぬよう伜は親を残して、一足さきに矢の川峠を越えて帰京した。私は、それか....
橋の上」より 著者:犬田卯
彼は鼻を片手で抑えながら、片手で鞄を直して歩き出した。もう遅れたかも知れぬ。始業の鐘が鳴ってしまったかも知れぬ。 女生徒達もそのあとから駈けるようにしてつ....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
うして余は二、三日滞在の上帰路は箱根を越え、富士川を渡り、岩淵停車場まで徒歩し、始業の時日が差迫ったためにそれからまた汽車に乗って帰った。同級生は皆月の瀬の勝を....