始終[語句情報] »
始終
「始終〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
始終の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
を伺わなくてはならないと申す訳ではございません。ただ、私がこの年になりますまで、
始終頭を悩まさずにはいられなかった問題でございますから、せめてその間の苦しみだけ....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
まず床《とこ》の間《ま》にはいつ行っても、古い懸物《かけもの》が懸っている。花も
始終絶やした事はない。書物も和書の本箱のほかに、洋書の書棚も並べてある。おまけに....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
《ひにん》小屋の間へ、小さな蓆張《むしろば》りの庵《いおり》を造りまして、そこに
始終たった一人、佗《わび》しく住んでいたのでございます。
十三....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
《はんもん》した。君を新橋に出迎えて以来、とうとう今日《きょう》に至るまで、僕は
始終この煩悶と闘わなければならなかったのだ。が、一週間ばかり前に、下女か何かの過....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
した所が、天下にわかるものは一人もあるまい。
「それ以来僕の心の中《うち》では、
始終あの女の事を思っている。するとまた金陵《きんりょう》へ帰ってからも、不思議に....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
牧野の体が、不意に妙な憎悪《ぞうお》の念を燃え立たせる事も時々あった。
牧野は
始終愉快そうに、ちびちび杯《さかずき》を嘗《な》めていた。そうして何か冗談《じょ....
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
御釈迦様《おしゃかさま》は極楽の蓮池《はすいけ》のふちに立って、この一部|
始終《しじゅう》をじっと見ていらっしゃいましたが、やがて※陀多《かんだた》が血の....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
られたように坐っていた。それが洋一の足音を聞くと、やはり耳掻きを当てがったまま、
始終|爛《ただ》れている眼を擡《もた》げた。
「今日《こんにち》は。お父さんはも....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
。そうかと云って、世間一般の平凡な眼とも違う。聡明な、それでいてやさしみのある、
始終何かに微笑を送っているような、朗然《ろうぜん》とした眼である。本間さんは黙っ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
はワナワナ顫えた、眼はくもってしまった。だが私は彼がその手紙の中で語っている一部
始終を読み返した。私は歔欷いている自分の哀れな心の中に痛い傷痕をかんじて、我知ら....
「初雪」より 著者:秋田滋
いなかった。 「いいえ、ほんとうです。これじゃ、あたし凍っちまいますわ。あなたは
始終出あるいてらっしゃるから、お解りにならないでしょうけど、このままじゃ、あたし....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
――――――― 、一八二九年五月十日に死んだ。 研究の三期 ファラデーの研究は
始終を通じて、実に四十四年の永きにわたる。すなわち一八一六年の生石灰の研究を振り....
「寡婦」より 著者:秋田滋
私が悪かったのです、ほんとうに私が悪かったのです。いまだに私はそれについては
始終後悔の涙にくれるのです。私は生涯その罪の贖いをして来ました。こうして老嬢をと....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
は父親の姓も、生れ故郷の村の名も、何もかも忘れてしまっていた。けれども、幼い日に
始終口にしていた父母の呼び名だけは忘れなかったのである。 彼は崩れるようにそこ....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
で、朝太郎とつけましたが、その朝太郎も、もう四歳になりました。顔立こそ美しいが、
始終田畑や山へつれて行くので、色が真黒になって、百姓の子供として恥かしくないよう....