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姐さん
「姐さん〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
姐さんの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、戸を押してずッと入る先生の背中を一ツ、黙言で、はたと打った。これは、この柏屋の
姐さんの、小芳と云うものの妹分で、綱次と聞えた流行妓である。 「大層な要害だな。....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
泊まりな――喜多八が、まだ少し早いけれど……弥次郎、もう泊まってもよかろう、のう
姐さん――女、お泊まりなさんし、お夜食はお飯でも、蕎麦でも、お蕎麦でよかあ、おは....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
寿司の包みだった。いつの間にこんなところへ蔵ったのだろうと呆れる外なかった。 「
姐さん、ここに買って来た握り寿司があるんだが、喰べても構わないかネ」 「アラ御馳....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
だって、戸の隙間から、見えちまうじゃないの」 「じゃ、こうしとこうかな。手拭を、
姐さん被りにさせて」 「ああ、それで、いいわ」あとから附いて来た紅子が云った。 ....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
ので話の口が解けたと思うらしい面色して、中休みに猪口の酒を一口した。…… 「……
姐さん、ここの前を右へ出て、大な絵はがき屋だの、小料理屋だの、賑な処を通り抜ける....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
お澄は白い指を扱きつつ、うっかり聞いて顔を見た。 「――お澄さん、私は折入って
姐さんにお願いが一つある。」 客は膝をきめて居直ったのである。 ....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
合った、と私の目に見えた時さ。(いとしや。)とその後妻が、(のう、ご親類の、ご新
姐さん。)――悉しくはなくても、向う前だから、様子は知ってる、行来、出入りに、顔....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
んだ。――そこで、その小豆を喰いながら、私らが、売女なら、どうしよってんだい、小
姐さん、内々の紐が、ぶら下ったり、爪の掃除をしない方が、余程汚れた、頽れた、浅ま....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
拶、殊勝な事と小宮山も更り、 「色々お世話だった。お蔭で心持|好く手足を伸すよ、
姐さんお前ももう休んでおくれ。」 「はい、難有うございます、それでは。」 と言....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、後へ一町、前へ三町、そこにもかしこにも両側の商家軒を並べ、半襟と前垂の美しい、
姐さんが袂を連ねて、式のごとく、お茶あがりまし、お休みなさりまし、お飯上りまし、....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
るだろう。以前は影絵、うつし絵などでは、巫山戯たその光景を見せたそうで。――御新
姐さん、……奥さま。……さ、お横に、とこれから腰を揉むのだが、横にもすれば、俯向....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
這戻り、お懶惰さんの親方が、内を明けて居ないのを勿怪の幸、お婆さんは就寝てなり、
姐さんは優しいから、いたわってくれた焼酎を塗って、上口の火鉢の傍へ突臥して寝たが....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
柳屋といってね、……」 「もうその時分は、大旦那がお亡くなんなすったあとで、御新
姐さんと今のお嬢さんとお二人、小体に絵草紙屋をしておいでなすった。そこでもお前火....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
、」 「唯今何します、どうも、貴下御免なさいましよ。主人が留守だもんですから、少
姐さんのお部屋でついお心易立にお炬燵を拝借して、続物を読んで頂いておりました処が....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
していないと言われますか――お聞きになれば分るんですが。 「何を差上げます。ご新
姐さん。」 うしろの空地に、つめ襟の服と、印半纏、人影が二つ三つさして来た。 ....