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姑く
「姑く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
姑くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
してキリストを信ずるの道を聴く、時に とを論ぜしかばペリクス懼れて答えけるは汝|
姑く退け、我れ便時を得ば再び汝を召さん、 とある(行伝二十四章二十四節以下)、而....
「富貴発跡司志」より 著者:田中貢太郎
したから、府君が上界に奏して、罪を加えようとしておるが、彼は先世に陰徳があって、
姑く不義の富貴を享けておることになっておるから、数年の時間を貸して、滅族の禍に罹....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
ものは今|存じていない。その存じているのは後に改板したものである。ただ一つここに
姑く問題外として置きたいものがある。それは沼田頼輔さんが最古の「武鑑」として報告....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
ずやとも考え得べし。然れども這般の疑点に就いては調査が欠如しおるが如くなるを以て
姑く疑問として保留しおくべし。
【四】 夢遊状態発作当初の行動……絞殺……....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
て、絶やさぬようと家人に注意さしておく。 この定斎、それほどに利くか利かぬかは
姑く問題の外として、かくも江戸ッ児に調法がられるこの持薬で、三百年来事欠かなんだ....
「堺事件」より 著者:森鴎外
只今薩摩、長門、因幡、備前、肥後、安芸七藩の家老方がフランス軍艦に出向かわれた。
姑く元の席に帰って吉左右を待たれい」 九人は是非なく本堂に引き取った。細川、浅....
「平塚・山川・山田三女史に答う」より 著者:与謝野晶子
実現することが出来るのです。相対的な経済的独立は、要するに悠久な人間生活の過程に
姑くその絶対独立の一つの因素となるに過ぎません。 しかし山田さんの奇抜な独立否....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
福たるをおしはかって見れば、そのエー男女同権たる処の道を心得ずんば有るべからず、
姑く男女同権はなしと雖も、此事は五十|把百把の論で、先ず之を薪と見做さんければな....
「細木香以」より 著者:森鴎外
むる媒となったであろう。 これから安政三年に至るまでの間には記すべき事が少い。
姑く二三の消息を注すれば、先ず天保十四年に河原崎座が、先に移った中村、市村両座と....
「成仙」より 著者:田中貢太郎
った。そこで周は家の者を呼んでいった。 「黄は、俺をばかにしたから仇だが、それは
姑くおいて、村役人は朝廷の官吏で、権勢家の官吏じゃない。もし争う者があるなら双方....
「雁」より 著者:森鴎外
うしようと、ちゃんと顔に書いてあらあ」 お玉の顔はすぐに真っ赤になった。そして
姑く黙っている。どう言おうかと考える。細かい器械の運転が透き通って見えるようであ....
「触覚の世界」より 著者:高村光太郎
。 私は曾て帝劇で、シュウマン ハインクのお婆さんの歌をきいた。その歌の巧拙は
姑く措いても、その声のキメの細かさ、緻密さ、匂やかさ、そうして、丁度刀を鍛える時....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
私が読書子に寄せた辞の 「近時大量生産予約出版の流行を見る。その広告宣伝の狂態は
姑く措くも、後代に貽すと誇称する全集が其編集に万全の用意をなしたるか。千古の典籍....
「上野」より 著者:永井荷風
五年壬申の夏である。湖山は維新の際国事に奔走した功により権弁事の職に挙げられたが
姑くにして致仕し、其師星巌が風流の跡を慕って「蓮塘欲継梁翁集。也是吾家消暑湾。」....
「国栖の名義」より 著者:喜田貞吉
便にて、「久受」とはなれるなるべし。されど正しく久爾須といへること物に見江ねば、
姑く旧のまゝに、今も「久受」と訓り。 とある。学者の慎重なる態度として、敬服に....