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姑息
「姑息〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
姑息の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
配を利用して、病気を口実に結婚を延期するのも、今となっては意気地《いくじ》のない
姑息手段《こそくしゅだん》としか思われませんでした。しかも一方ではN家の主人など....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
なら、真鍮《しんちゅう》を用いるのに越した事はない。今更体面を、顧慮する如きは、
姑息《こそく》の見《けん》であると云う。――二人は、各々、自説を固守して、極力|....
「或る女」より 著者:有島武郎
ても僕は前からそういうふうにはっきり片づけてしまいたいと思っていたんですけれど、
姑息《こそく》な心からそれまでに行かずともいい結果が生まれて来はしないかと思った....
「星座」より 著者:有島武郎
ない。そして科学者として立とうとしている以上、今後は文学などに未練を繋《つな》ぐ
姑息《こそく》を自分に許すまいと決心したのだった。
* * ....
「外科室」より 著者:泉鏡花
たは病を軽蔑《けいべつ》しておらるるから埒《らち》あかん。感情をとやかくいうのは
姑息《こそく》です。看護婦ちょっとお押え申せ」 いと厳《おごそ》かなる命のもと....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
き残りがあるからむろん先月よりも多い。一時のつけ元気で苦しさをまぎらかしたのも、
姑息の安を偸んでわずかに頭を休めたのも月末という事実問題でひとたまりもなく打ちこ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
陥没地へ身を投げるつもりか……」 「そうだ、初志を貫く。だいたいこれが、僕の因循
姑息からはじまったことだから、むろん、じぶんが蒔いた種はじぶんで苅るつもりだよ。....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
は「山と闘うためにきた」のではないか。なぜ岩を恐れ、氷を恐れ吹雪を恐れてこれらの
姑息な手段を考えるのか。吹雪の日の涸沢岳の尾根こそ久しく求めて止まなかったところ....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
さるか、お裂きになるか。…… すべて、いささかも御斟酌に及びません。 諸君が
姑息の慈善心をもって、些少なりとも、ために御斟酌下さろうかと思う、父母も親類も何....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ブア人のような未開人でないという事を十分会得させるが第一策だと思う。無論、そんな
姑息の方法では根深い誤解を除く事はとても出来ないかも知れんが、少くも彼我国際間の....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
棄てばちな謀叛の計画が実際あったのだった。しかし、ゼエムス王の返事は曖昧であり、
姑息であった。マウントジョイは敏感である。そして企画は断念された。 だが、長い....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
を失った和歌を、伝統の家業として継承するには、祖先の庭訓に対しても、御都合主義の
姑息なこじつけが必要となってくる。為世はまさにそれを行っている。人の顔はみな眼は....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
無用なる努力、石炭の濫費、そして、不衛生なる煤煙の製造! 彼はこのままでは結局|
姑息な改造で何の役にも立たぬことを発見した。 発明家大会の第二日もまたおじゃん....
「死児を産む」より 著者:葛西善蔵
を打つけて、血まみれになっているその悲惨さを体味しながらそれでも一条の灯を認めて
姑息ながらに生きているは「蠢くもの」その他などに現れた先生の芸術云々――モグラモ....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
答えられました。 『有難うございました。よく考えてみましょう。こう申すとまことに
姑息なやり方のようですが、私共がお経を上げて迷っているものを成仏させるように、あ....