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「委細〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

委細の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
れるくらいですからね。」 「しかし僕は一月《ひとつき》ばかり前に、……」 僕は委細を話した後《のち》、例の刑法千二百八十五条のことを尋ねてみました。 「ふむ、....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
いるだろう。」 田宮は薄痘痕《うすいも》のある顔に、一ぱいの笑いを浮べたなり、委細《いさい》かまわずしゃべり続けた。 「今日僕の友だちに、――この缶詰屋に聞い....
捨児」より 著者:芥川竜之介
涙をためたまま、廊下《ろうか》伝いに本堂から、すぐに庫裡へ急いで来たのです。 「委細《いさい》を聞き終った日錚和尚は、囲炉裡《いろり》の側にいた勇之助《ゆうのす....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
遅くなってから、泰さんの所へお敏が来た。そうして是非一度若旦那に御目にかかって、委細の話をしたいのだが、以前奉公していた御店へ、電話もまさかかけられないから、あ....
振動魔」より 著者:海野十三
ばかりで、それ等の器械類をとりつけると、折から、講演先から帰ってきた柿丘秋郎に、委細の説明をしたあとで、挨拶をして引上げて行った。 一体これから此の部屋で、何....
白蛇の死」より 著者:海野十三
るらしく、簡単な訊問に対してもその答弁は案外手間がとれた。が、結局国太郎は前述の委細を全部自白させられたのである。そして直ちに問題となったのは土岐健助の行動であ....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
これから着ますな、あの色に似ておりますから。」 「そんで幾干やな。」 古女房は委細構わず、笊の縁に指を掛けた。 「そうですな、これでな、十銭下さいまし。」 「....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
ここだ!」 と唐突に屹と云う。 「ええ何か、」と訓導は一足退く。 宰八は委細構わず。 「手毬の消えたちゅうがよ。(ここに確に置いたのが見えなくなった、)....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
。」とまたアハハと笑う。 「さあ、もし召して下さい。」 と話は極った筈にして、委細構わず、車夫は取着いて梶棒を差向ける。 小父者、目を据えてわざと見て、 「....
成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
っていました。他人から注がれた心持に動かされていました。理解の勝れた友達は、私が委細の心持や事情を書けば理解をしてくれる事は私も信じてはいましたが、しかし私はも....
黒百合」より 著者:泉鏡花
油を売ったぞ、いや、どッこいな。」と立つ。 十九 帰りたくなると委細は構わず、庭口から、とぼとぼと戸外へ出て行く。荒物屋の婆はこの時分から忙しい....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
であろう……。』などと申した位に、それはそれは美しい花嫁姿でございました。しかし委細の事情を知って居る私には、あの美しいお顔の何所やらに潜む、一|種の寂しさ……....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
話を聞いたりした。丁度普通の人の大学教育である。 この旅行についてファラデーは委細の記事を残した。これを見ると、デビーの友人の事から、旅行中の研究もわかり、こ....
山吹」より 著者:泉鏡花
銭も遍く金剛を照すだね。えい。(と立つ。脊高き痩脛、破股引にて、よたよた。酒屋は委細構わず、さっさと片づけて店へ引込む。)えい。(よたよた。やがて人形の前までよ....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
の方へ開けてある。取附が三畳、次の間に灯は点いていた、弥吉は土間の処へ突立って、委細構わず、 「へい毎度出ましてお邪魔様でございます、難有う存じます。ええ、菊枝....