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「姥桜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

姥桜の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
いきすぎていた。 貴子がもっと若ければ、春隆もこれほどまで照れなかっただろう。姥桜という言葉の魅力も、せいぜい三十三までだ。それ以上は姥桜という言葉は、もう二....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
それよりも、この奥方が、名古屋の城内城下を通じて第一等の美人であって、また現在|姥桜《うばざくら》となっていても、未《いま》だ一の座を争うべきほどのものが現われ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
るの」 不意に隔ての襖《ふすま》をあけて、スラリとそこへ立っているのは、今日は姥桜《うばざくら》に水の滴るような丸髷姿《まるまげすがた》のお絹でありました。 ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
》の櫛が、貝細工のような耳のうしろに悩ましく光っている風情《ふぜい》、散りそめた姥桜にかっと夕映えが照りつけたようで、熟《う》れ切った女のうまみが、はだけた胸元....
北支点描」より 著者:豊島与志雄
までの美人は頗る多いが、二十歳を越す頃からとたんにお婆さんになり、所謂年増美とか姥桜とかは全くないと云われる。然し例外がないでもない。 青島の平庚五里は遊里で....
けむりを吐かぬ煙突」より 著者:夢野久作
の美しさが見る見る年月を逆行し始めたのは、その頃からの事であった。モウ四十に近い姥桜とは夢にも思えない豊満な、艶麗な姿を、婦人正風会の椅子に据えて、弁舌と文章に....
桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
る。星布の力づよい句風よく近代女流俳句の塁をますに足る。 花ちりぬこれを名づけて姥桜 尚白女 花の塵払ひて色紙えらみけり 春梢女 前かけの青海波や桜ちる ....
狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
八かで張って行く、お艶婆の本性が、そこいらにも見え透いておりますようで……そこで姥桜の、古狸のお艶のスゴ腕に丸め込まれた野西は、お熊さんの変死を隠すため、又はお....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
に出て利根の夜船に乗った時に、江戸帰りのお鉄と一緒で有った。年齢は既に四十近く、姥桜も散り過ぎた大年増。重量は二十貫の上もあろう程の肥満した体。色は浅黒く、髪の....
艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
老落語家の手記によると、於梅は寄席では主に手踊りなど見せていたらしいが、衰残の大姥桜、せっかくの踊りも脂気が抜けてただいたましく寄席もひと廻り巡演しただけで好評....