姨捨[語句情報] »
姨捨
「姨捨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
姨捨の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
山を見つつ、横川、熊の平、浅間を眺め、軽井沢、追分をすぎ、篠の井線に乗り替えて、
姨捨田毎を窓から覗いて、泊りはそこで松本が予定であった。その松本には「いい娘の居....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
が一つの私有財産であったという所有関係(生産関係の直接の表現)を示すに他ならぬ。
姨捨山は不生産的な労働力を維持するだけの労働営養(食物)の過剰のない生産組織の或....
「青い眼の人形」より 著者:野口雨情
し おびんづるになつちやつた 観音さんの おびんづるは 顋なし鼻ぴく おびんづる
姨捨山
姨捨山《をばすてやま》に 捨てられた 姨は帰つて来なかつた 山から ....
「蕎麦の味と食い方問題」より 著者:村井政善
あんなに白くぶくぶくに太ったのは、水ばかりで駄目であります。アルプス山麓あるいは
姨捨山などの痩土に、困苦艱難して成長したものであって、せいぜい五寸、鼠位の太さに....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
はさきをお急ぎ下さるであろうと思う、で、簡単にその次第を申上げる。 所は信州|
姨捨の薄暗い饂飩屋の二階であった。――饂飩屋さえ、のっけに薄暗いと申出るほどであ....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
及ばんから、床ずれがして寝返りも出来ない、この吾を、芳之助と二人で負って行って、
姨捨山へ捨てるんだ。さ、どちらでも構わない。ただ、(人の妻たる者が、死にかかって....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
方、邪魔もので本宅の方へ参っております、秋からはこうやって棄てられたも同然、私も
姨捨山に居ります気で巣守をしますのでざいましてね、いいえ、愚痴なことを申上げます....
「源氏物語」より 著者:紫式部
るようなことばかりでもあるまいなどと、みずから慰めようと中の君はするのであるが、
姨捨山の月(わが心慰めかねつ更科や
姨捨山に照る月を見て)ばかりが澄み昇って夜がふ....
「犬」より 著者:正岡子規
犬と生れ変った、ところが信州は山国で肴《さかな》などという者はないので、この犬は
姨捨山《うばすてやま》へ往て、山に捨てられたのを喰うて生きて居るというような浅ま....
「県歌 信濃の国」より 著者:浅井洌
の棧かけし世も 心してゆけ久米路橋 くる人多き筑摩の湯 月の名にたつ
姨捨山 しるき名所と風雅士が 詩歌に詠みてぞ伝えたる 五 旭将軍|義仲も....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
話し方いがいに、日本にまたべつの親棄山があり、和歌で有名になっている信州|更級の
姨捨山なども、その一つの残りの形であるような気がする。
姨捨山の話も中世の書物に多....