姫百合[語句情報] »
姫百合
「姫百合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
姫百合の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
け歩いて行った。
病院へ着いたのは九時過ぎだった。なるほど多加志の病室の外には
姫百合《ひめゆり》や撫子《なでしこ》が五六本、洗面器の水に浸《ひた》されていた。....
「令嬢アユ」より 著者:太宰治
草の露が冷たくて、いい気持。土堤にのぼる。松葉牡丹《まつばぼたん》が咲いている。
姫百合《ひめゆり》が咲いている。ふと前方を見ると、緑いろの寝巻を着た令嬢が、白い....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
らして小児で可い。――私は大好きだ。スズメノエンドウ、スズメウリ、スズメノヒエ、
姫百合、姫萩、姫紫苑、姫菊の※たけた称に対して、スズメの名のつく一列の雑草の中に....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
知っている。」 僕は、どうも詩というものは苦手だけれども、それでも、大月花宵の
姫百合の詩や、鴎の詩は、いまでも暗誦できるくらいによく知っている。その詩の作者と....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
峠の中に、嘘のようにもお思いなさいましょうが、まったくだと申します。 学円 谷の
姫百合も緋色に咲けば、何もそれに不思議はない。が、この通り、山ばかり、重り累る、....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
どこがいいのかと思うがその当事者にとってはとてもなかなか大したもので、おお谷間の
姫百合よ、野の花よあなたなしに一日もとか、全く変な讃辞を封筒へ収めて書き送ってい....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
序 越中の国|立山なる、石滝の奥深く、黒百合となんいうものありと、語るもおどろおどろしや。
姫百合、白百合こそなつかしけれ、鬼と呼ぶさえ、分けてこの凄じきを、雄々しきは打笑....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
まあ見事な百合の花……。』私は覚えずそう叫んで、巌間から首をさし出していた半開の
姫百合を手折り、小娘のように頭髪に挿したりしました。 私がそうした無邪気な乙女....
「両面競牡丹」より 著者:酒井嘉七
奈良坂やさゆり
姫百合にりん咲き ――常磐津『両面月姿絵』 ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
とき、九州辺で彼岸花というものを、土地の人に聞けばきつねばなと答えたといって、「
姫百合のおもかげ見せてあきの野に人たぶらかすきつね花かも」とある。鴎外が忘れたと....
「田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
う、伝法肌《でんぽうはだ》な打ってつけの役者がいた。 末広鉄腸は、早く「渓間の
姫百合」を出して、明治小説界の最も先駆者だが、その人たちは学者であり、政治家であ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
きい、真黒な土の達磨。 花活に……菖蒲にしては葉が細い。優しい白い杜若、それに
姫百合、その床の掛物に払子を描いた、楽書同然の、また悪く筆意を見せて毛を刎ねた上....