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「姫鱒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

姫鱒の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
人が何人も泊り合わせ、歌をうたったりしているのもお母さんにはお珍しかった様です。姫鱒《ひめます》も中禅寺湖名物で、私は美味しかったが、お母さんは初めてでどうもぞ....
椎の木」より 著者:豊島与志雄
れが一面にたたえている。そして湖水の底からは、清水《しみず》がわいている。そこに姫鱒が養殖してある。釣りに出ると愉快だよ。舟にのって出かけるんだが、よく釣れる。....
故郷」より 著者:豊島与志雄
千八百米突まで、深々と湛えている、比類稀なほど円満な湖水である。 この湖水に、姫鱒の養殖が行われている。プランクトンの量多くて、非常によく育つとかいう話。産卵....
山吹の花」より 著者:豊島与志雄
、鯉や鮒の類が住み、鱒が放流してある。鱒の養殖所は丸沼の遙か下方にあって、虹鱒と姫鱒の二種。産卵期が春と秋に分れてるので、雑種になることはない。 この放流の鱒....
山上湖」より 著者:豊島与志雄
子が、櫓のように立っている。添木でとめて地面に定着さしてある。魚見の櫓だ。ここは姫鱒の人工養殖所で、孵化した稚魚を湖水に放流すれば、育った親鱒は三年後に、その回....
雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
って見た虹鱒、銀青色の横腹に紅殻を刷いたような彩、山の魚は美しい。 湯の湖へは姫鱒、湯川へは川鱒と虹鱒を、帝室林野局で年々数多く放流している。冷徹な峡間は、湯....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
も知らぬ夫人に「近ごろ、お作の方はいかがですか」とか、突堤の鼻では老紳士に「沼で姫鱒《ひめます》を釣りますには鋼鉄製の英国ふうの釣竿より、どうも日本《おくに》の....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
で、大きな囲炉裏《いろり》の壁の上には、鹿の首や、賞牌《メダイユ》や、ひからびた姫鱒《ひめます》や、喇叭《ラッパ》銃や、そのほか訳のわからぬものが無数に飾り付け....
澪標」より 著者:外村繁
えず山風が吹き通って、ひどく涼しい。 浴後、私と妻は夕食の卓につく、鯉の洗い、姫鱒の塩焼、ぜんまい、きくらげなど、土地の珍しいものが出る。私と妻とは互のコップ....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
この砧村へ移住して来た際にも、私は一応巣箱の問題を考えて見た。鳥が十和田湖の姫鱒のように、必ず放流せられた浜に戻って来るものなら、何でもかでもこの庭に巣を掛....