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姿体
「姿体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
姿体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
べき感受性をもって捉《とら》えてある。「いき」の質料因たる二元性としての媚態は、
姿体の一元的|平衡《へいこう》を破ることによって、異性へ向う能動性および異性を迎....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
習慣になって居るのです。ですから、今朝の八時頃でしたか、開いている窓から、異様な
姿体が容易く眼に入りました。所が、その旨を河竹へ報せに行くと、室の扉が、押せど叩....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
其処に、大勢の掛員達から「葬式機関車」と呼ばれている、黒々と燻けた、古い、大きな
姿体の機関車があります。形式、番号は、D50・444号で、碾臼の様に頑固で逞しい....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
通ずるのだ。代表的な観光道路で、白地に黒線のマークを入れた道路標識が、スマートな
姿体で夜目にも鮮かに車窓を掠め去る。 やがて自動車は、ひときわ鋭いヘヤーピンの....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、瓶を窓から河の中へ投げ捨てたと云う面白い例が載っているぜ。だから一応は、最初の
姿体を再現してみる必要があると思うね。それから死体の光は、アヴリノの『聖僧奇蹟集....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
、自由党にはいって女政治家となり、盛んに各地を遊説《ゆうぜい》し、チャーミングな
姿体と、熱烈な男女同権、女権拡張の説をもち、十七、八の花の盛りの令嬢が、島田髷《....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
いローマ婦人の花が咲きだしていた。 真の色艶、堅固なる瑞々しき身体。 その
姿体は調和のとれた豊満さをそなえていた。その身体は高慢な懶《ものう》さに浸ってい....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
は、その何処にも見出されないのであった。所が、その相貌とは反対に、推摩居士の表情
姿体を観察して行くと、それには、恐怖驚愕などと云うような、殺人被害者固有の表出を....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
こぼれそうだ 破れ靴のように捨てられた白いベンチの上に 私はまるで淫売婦のような
姿体で 無数の星の冷たさを愛している 朝になれば あんな|空の花《ほし》は消えて....
「松井須磨子」より 著者:長谷川時雨
駄々《だだ》っ子《こ》は、あの我儘が近代人だといえばそうとも言われようが、気高い
姿体と、ロマンチックな風致をよろこぶ女にも、近代人の特色を持った女がないとは言わ....
「私の洋画経歴」より 著者:小野佐世男
、にきび華やかなりし僕にはまるでこの世のものとは思えず、ただ夢心地、今なお女性の
姿体美を画きつくすのに浮身をやつしている自分にはこのセンネット・ガールが大なる遠....
「エキゾチックな港街」より 著者:小野佐世男
」 私が東京へかえるのだというと、背のすらした銀色のイヴニングをピッチリ美しい
姿体に張りきらした肉感的な女性が、 「こういう絵描きさん、知っている」 「知って....
「ストリップ修学旅行」より 著者:小野佐世男
台でバタフライをチョッピリ附けただけの彼女達が、今日は思い思いのドレスにぴったり
姿体をつつんで、帽子なぞをまぶかにかぶっているので、どれがシルバーローズか、マリ....
「鮎の食い方」より 著者:北大路魯山人
とは、少しも恥ずかしいことではない。見るからに美味そうに、しかも、艶やかに、鮎の
姿体を完全に焼き上げることは、鮎を味わおうとする者が、見た目で感激し、美味さのほ....
「西航日録」より 著者:井上円了
氏に示せるに、氏曰く、その高と大とは富峰の企て及ぶところにあらず。しかしてその風
姿体貌にいたりては、またはるかに富峰に及ばずと。余、大いにしかりとし、さらに、 ....