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「姿絵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

姿絵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
た一人小むすめを相手に、せめてもの慰みは、新版芝居錦絵、中村座当り狂言の雪之丞の姿絵、三枚つづきの「滝夜叉」に、その人をしのぶ事だけの浪路だった。 あの晩、吹....
「旅愁」より 著者:横光利一
別れを惜しむ土地の娘の悲しさがあり、遠い異国の方へ流れる雨の行方を見つづける人の姿絵なども、矢代には旅の感傷となって生きて来た。 「ほんとに、ここはあんまり静か....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
ではないかと思われぬでもないが、又｜然程《さほど》に深く解釈せずとも済む。秀吉が姿絵を氏郷の造らせたということを聞いて感涙を墜《おと》したというのも、何だか一寸....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
世絵師がありました。 あるとき、豊国は蔵前の札差として聞えた某の老人から、その姿絵を頼まれました。どこの老人もがそうであるように、この札差も性急でしたから、絵....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
色めく姿、爪尖まで、――さながら、細い黒髪の毛筋をもって、線を引いて、描き取った姿絵のようであった。 十八 池の面は、蒼く、お珊の唇のあたりに影....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
る―― ――恥を知らぬか、恥じないか――と皆でわあわあ、さも初路さんが、そんな姿絵を、紅い毛、碧い目にまで、露呈に見せて、お宝を儲けたように、唱い立てられて見....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
からぬ薬でも取り出して売りつけようの魂胆と見える。 むこうでは南蛮《なんばん》姿絵の覗《のぞ》き眼鏡が子供を寄せ、こっちでは鐘の音のあわれに勧善懲悪地獄極楽の....
「山の手の子」より 著者:水上滝太郎
とむずかしい顔の亭主《ていしゅ》が言ってから亭主を憎いと思うよりも一層姫の美しい姿絵が懐かしくなった。その他そこらには呉服屋、陶器《せともの》屋、葉茶屋、なぞが....
「両面競牡丹」より 著者:酒井嘉七
奈良坂やさゆり姫百合にりん咲き ――常磐津『両面月姿絵』 一 港の街とは申しますものの、あの辺りは、昔から代々うち続い....
「助五郎余罪」より 著者:牧逸馬
やぞうで口を隠しながら、 「のっけから切れたろう――一番目は？」 「八重九重桜花姿絵《やえここのえはなのすがたえ》」 「五郎時宗《ごろうときむね》、お定《きま》....
「一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
殿女中のなかに、照近江のお鯉も交っていたのか、ほどなく、わたしは一枚の彩色麗しい姿絵を手にした。桜のもとに短冊をもっている高島田の、総縫の振袖に竪矢《たてや》の....
「日記」より 著者:宮本百合子
て わびしき思ひ鏡の面 今の心語りつたへんとももがなと 空しき宙に姿絵をかく ステンドクラッスの紫よ緋よ、鳶色よ 病なき国抱けるが如 十....
「円朝花火」より 著者:正岡容
なすものなり。青春の、中年のはたまた晩年の、彩り多く夢深かりし彼がひと日ひと日の姿絵をばここにかかげ、大方の笑覧を乞わんのみ。再び言う、こはこれ、まったくの未定....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
色情生活を閲している。四十を越えた今日までには幾十人の女を知ったか分らない。彼の姿絵を、床の下に敷きながら、焦れ死んだ娘や、彼に対する恋の叶わぬ悲しみから、清水....
「活人形」より 著者:泉鏡花
床の間の方を見るや否や、「ン、と反返るを抱き止めて、泰助｜屹と振返れば、柱隠しの姿絵という風情にて、床柱に凭れて立つ、あら怪しき婦人ありけり。 つくづくその婦....