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威す
「威す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
威すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖術」より 著者:泉鏡花
、一帆は肩を揺って、 「こうなっちやもう構やしません。是非相合傘にして頂く。」と
威すように云って笑った。 「まあ、駄々ッ児のようだわね。」 と莞爾して、 「貴....
「海異記」より 著者:泉鏡花
の、十丈、十五丈、弓なりに上から覗くのやら、反りかえって、睨むのやら、口さあげて
威すのやら、蔽わりかかって取り囲んだ、黒坊主の立はだかっている中へ浪に揉まれて行....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
さす。女童等、走り近く時、面を差寄せ、大口|開く。 もおう!(獣の吠ゆる真似して
威す。) 女董一 可厭な、小父さん。 女童二 可恐くはありませんよ。 朱の盤 だ....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
場。 初の烏ハタと行当る。驚いて身を開く。紳士その袖を捉う。初の烏、遁れんとして
威す真似して、かあかあ、と烏の声をなす。泣くがごとき女の声なり。 紳士 こりゃ、....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
が、ほたほたと太く、蓑の毛を羽にはいだような形を見ると、古俳諧にいわゆる――狸を
威す篠張の弓である。 これもまた……面白い。 「おともしましょう、望む処です。....
「古狢」より 著者:泉鏡花
町の後から、外套氏は苦笑いをしながら、その蓮根問屋の土間へ追い続いて、 「決して
威す気で言ったんじゃあない。――はじめは蛇かと思って、ぞっとしたっけ。」 椎の....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
を噛んでいたのである。 四十三 「おお、自分の顔を隠したさ。貴僧を
威す心ではない、戸外へ出ます支度のまま……まあ、お恥かしい。」 と、横へ取った....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
の低いのが、滅入込みそうに、大な仮髪の頸を窘め、ひッつりそうな拳を二つ、耳の処へ
威すがごとく、張肱に、しっかと握って、腰をくなくなと、抜足差足。 で、目を据え....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
げ、思切って。ええ、それでのうては、こな爺い、人殺しの解死人は免れぬぞ、」と告り
威す。――命ばかりは欲いと思い、ここで我が鼻も薙刀で引そがりょう、恐ろしさ。古手....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
いたのである。 「暮れるには間があるだろうが、暗くなったもんだから、ここを一番と
威すんだ。悪い梟さ。この森にゃ昔からたくさん居る。良い月夜なんぞに来ると、身体が....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
だよ、綺麗な野衾だから結構さ。」 「あら姉さん。」 「お止しよ。そんなこと謂って
威すのは虫の毒さ、私も懲りたことが有るんだからね、欺しッこなし。貢さん、なに血な....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
を言ってるんですよ。 話声がするの、跫音が聞えるのって――大方女中なんかを徒に
威すんだろうと思って、気にもしないでいましたけれども、今のお話の様子だと、何だか....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
来た、なお気丈夫じゃあないか。」 と、図に乗っていった。が、この巨大なる躯は、
威すものにも陰気を浴せた。それら天井を貫く影は、すっくと電燈を黒く蔽って、廊下に....
「正に芸術の試煉期」より 著者:小川未明
事実であった。 ことに、このたびの震災は、さらに文筆業者の生活に分裂を来たし脅
威することゝなった。出版圏内の限られたことと、この際、衆俗の意嚮と趣味を無視する....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ラウンの用兵術巧妙を極め、巧みに大王の軍を抑留し、その間奇兵を以て大王の背後を脅
威する。大王が会戦を求めんとせば適切なる陣地を占めてこれを回避する。大王は食糧欠....