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「威望〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

威望の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野分」より 著者:夏目漱石
《おがら》のように向うで折れべきものと心得ていた。盛名はわが望むところではない。威望もわが欲するところではない。ただわが人格の力で、未来の国民をかたちづくる青年....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
士族で来り投じたものが合せて一万人あった。この兵力に加うるに当時|赫々たる西郷の威望があるのだから、天下の耳目を驚かせたのは当然である。 薩軍が鹿児島を発した....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
て居たのも無理はない。勝家を頼ったのも、尤であるし、勝家またこれを推して、自らの威望を加えんと考えたのも当然であろう。しかるに秀吉の反対は、一座を動揺せしめたが....
運命」より 著者:幸田露伴
れて庶人となり、大同に幽せらる。 燕王は初より朝野の注目せるところとなり、且は威望材力も群を抜けるなり、又|其の終に天子たるべきを期するものも有るなり、又|私....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
といわせたので、周防殿にも勝る佐渡殿よとの取沙汰|俄《にわか》に高く、新所司代の威望信任はたちどころに千鈞の重きを致したという。 そもそもこの疑獄については、....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
大衆的な芸術で、封建の障壁が取払われている現代であったならば、芸術界に於ける翁の威望はどの範囲にまで及んでいたであろうか。 嘉永七年(安政元年利春三十八歳)三....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
しようが、徳川退くならば彼等の間に当然の同志討ち、いずれの勢力も、徳川家の多年の威望には及ばない、とすれば、彼等の為すところは、朝廷を擁して、その御稜威の下に権....
家なき子」より 著者:楠山正雄
ではあったが、この重大な場合に当たって、かれらに死生をともにすることを望むだけの威望の足りないことを感じていた。 カピはおそらくわたしの意中を察したのであろう....
剣侠」より 著者:国枝史郎
、秋山要介正勝に従いて学び、免許以上に達している。今牛若と綽名され、若親分として威望隆々、武州有数の大貸元であった。 ところが入間郡と境を接する、高麗郡の高萩....
三国志」より 著者:吉川英治
山賊あがりの韓暹と、二人がしめし合わせて、大梁へ落ちて行ったものです。――将軍の威望をそねむ鼠輩の盲動。何ほどのことをしでかしましょうや。お心を労やすまでのこと....
私本太平記」より 著者:吉川英治
と、その盛儀は、要するに、天龍寺落成記念の日をかりて、じつは足利将軍幕府の創始と威望とを、あらためて天下に宣伝する一大儀式となっていたといってもよい。 尊氏、....
山の人生」より 著者:柳田国男
の二つの系統が時としては二つの層をなし、必ずしも一郷の八幡宮、一村全体の熊野社の威望を傷けることなくして、屋敷や一つの垣内だけで、なお古くからの土地の神に、精誠....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
けて、朝は真赤な燠になっているようにして置く事が、今でも家刀自の技倆であり、また威望の根拠でもあるごとく見られていた。背戸から隣の家へそっと火を借りに行くなどと....