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娑婆世界
「娑婆世界〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
娑婆世界の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
方がまずかろうと、人気があろうと無かろうと、そんな事は一切お構い無しに、すべての
娑婆世界の利害損失の観念、即ち自己から離れてしまって、その持ち役の人物の性格や身....
「連環記」より 著者:幸田露伴
あり、犠牲を強要しあうのが争闘であり、然様でない犠牲の自、他、中間の種々相は即ち
娑婆世界の実相である。自分はもう幻影に過ぎなかった愛の世界を失って娑婆即ち忍苦の....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
いるのだから、声調おのずからそれに同化して憶良独特のものを成就したのである。事が
娑婆世界の実事であり、いま説いていることが儒教の道徳観に本づくとせば、縹緲幽遠な....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
にとりついて泣くのを見て、彼はこれを励まして、「この数年が間願いし事是なり。此の
娑婆世界にして雉となりし時は鷹につかまれ、鼠となりし時は猫に※われ、或いは妻子に....
「人生における離合について」より 著者:倉田百三
会というようなことを否定するであろうが、この世界をこのアクチュアルな世界すなわち
娑婆世界のみに限るのは絶対の根拠はなく、それがどのような仕組みに構成されているか....
「ろくろ首」より 著者:小泉八雲
った後、ようやく退出を許された。面目身に余った囘龍が諏訪を出た時は、このはかない
娑婆世界でこの僧ほど、幸福な僧はないと思われた。首はやはり携えて行った――みやげ....