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娑婆気
「娑婆気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
娑婆気の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
て、急に暗い所や、人のいない所が怖《こわ》くなってぞっとしたに違ない。それほどの
娑婆気《しゃばけ》が、戻り掛ける途端《とたん》にもう萌《きざ》していたのである。....
「草枕」より 著者:夏目漱石
くき》りの態度で美術品を作る。西洋は大きくて細《こま》かくて、そうしてどこまでも
娑婆気《しゃばっけ》がとれない。まずこう考えながら席に着く。若い男は余とならんで....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ま》のごとく風に吹かれて超然と澄《すま》し切っているようなものの、その実はやはり
娑婆気《しゃばけ》もあり慾気《よくけ》もある。競争の念、勝とう勝とうの心は彼等が....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
けれども、その、しないという約束の裏を行くのも趣向だろう。集った中にや、随分|
娑婆気なのも少くない。きっと誰かが言合わせて、人を頼んだか、それとも自から化けた....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
ら、開放しで皆見えますが、近所が近所だから、そんな事は平気なものです。――色気も
娑婆気も沢山な奴等が、たかが暑いくらいで、そんな状をするのではありません。実はま....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
むむ、そりゃ何よ、その本の本文にある通り、伊勢の山田ではぐれた奴さ。いい年をして
娑婆気な、酒も飲めば巫山戯もするが、世の中は道中同然。暖いにつけ、寒いにつけ、杖....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
く感じられた。が、入る時見た、襖一重が直ぐ上框兼帯の茶の室で、そこに、髷に結った
娑婆気なのが、と膝を占めて構えていたから。 話に雀ほどの声も出せない。 で、....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
の抜けた頤を埋め、この奥に目あり霞めり。――徒らに鼻が隆く目の窪んだ処から、まだ
娑婆気のある頃は、暖簾にも看板にも(目あり)とかいて、煎餅を焼いて売りもした。「....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
に、初路さんの、やっぱり記念碑を建てる事になったんです。」 「ははあ、和尚さん、
娑婆気だな、人寄せに、黒枠で……と身を投げた人だから、薄彩色水絵具の立看板。」 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
居候が利く。だが、この絵図面は見ねえ方がよかったな、これを見たために、せっかくの
娑婆気《しゃばけ》が立ちおくれをして、どうやらもとのがんりきに戻ってしまいそうだ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ケチしたお化けぶりです。 いっそ、こんなしみったれな真似をしないで、思い切って
娑婆気《しゃばっけ》を漂わせ、幸い、最も手近なるところにがんりきというあつらえ向....